【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第2節】IMCS第27回大会の都市本戦。
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また、第二試合は、バオラン対ジークリンデという「元チャンピオン同士」の好カードで、実際、内容的にも相当に充実した試合でしたが、結果はジークリンデのKO勝利でした。
そして、昼休み。ジークリンデがバオランの控え室を訪れると、バオランは笑顔を浮かべながらも、やや粗暴な口調でジークリンデにこう言い放ちました
「ジーク、このやろー。最後ぐらい、もう少し花を持たせろよ!」
「それは先日、ノーザさんからも言われました。(苦笑)」
「うん。確かに、彼女なら、それぐらいのことは言いそうだ」
バオランは大口を開けて、ガッハッハァと大笑いをします。
「やっぱ、親しい間柄やったんですか?」
「うむ。彼女は同い年で、良いライバルだったよ。今年は君のおかげで彼女とは対戦できなかったが、IMCSの公式戦では3回もぶつかった仲だ」
「ところで、バオランさん。来年からは、どうするんですか?」
「私はこんなガサツな女だが、地元のクルメア地方では、ウチはそれなりの良家でね。もちろん、元が貴族のダールグリュン家やハグディ家には遠く及ばないが、実のところ、私はすでに婚約者を待たせている身の上なんだよ」
「婚約者、ですか……。(吃驚)」
「ああ。来年の春には、その婚約者、名門マドリス家の末子ユディルさんと結婚の予定だ。確かに、最初は親同士が勝手に決めた縁談だったが、実際に会ってみたら、お互い、相性はそれなりに良かったからね。断るほどの理由は特に無かった」
「それなりに、ですか?」
「ジーク。人生は欲を言い出したらキリが無いよ。確かに、100点満点の相手ではないが、それは『お互い様』だ。……いや、誤解しないでくれよ。これは『妥協』という考え方では無いんだ」
そう言って、バオランは滔々と以下のような持論を述べました。
「例えば、IMCSの試合でも、実力が伯仲していれば、100%の勝機なんて、ほとんどあり得ないだろう? それでも、今、『充分な勝機』があり、この機会を見送っても次に『より良い勝機』が巡って来るとは期待できない、という状況だったら、そこはもう行くしかないじゃないか。
そういう前向きな考え方で、私はこの縁談に乗ったんだよ。こう見えても、『母親になりたい』という願望は一応、人並み程度には持ち合わせているのでね。
早めに片づけられることを、わざわざ選んで後回しにする必要は無いだろう? そもそも、人間の肉体には老化という時間制限があるんだから。
そんな訳で、私は今年を最後に、この業界からはキレイサッパリ足を洗わせてもらうよ。三年前のリグロマさんのようにね」
そう言われても、ジークリンデは二年前が初出場なので、リグロマという選手のことはよく解りませんでした。
【リグロマについては、次の章の「キャラ設定5」を御参
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