【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第2節】IMCS第27回大会の都市本戦。
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し砕けた性格をしていました。
一般人には入り込めない「選手控え室」で、ジークリンデがドアを閉めるなり、ノーザは冗談めかした口調で、彼女に素の自分を見せます。
「ジーク。こっちは今年で最後だったんだぞ。もう少し花を持たせてくれても良かったんじゃないのか?(笑)」
「そんな、気が回る人じゃないですよ、この人は!(キレ気味)」
「ザミュレイさんは、何故いつも私にはそんなに厳しいんや? 実際には試合で当たったことなんて、一度も無いはずやろ」
そんな二人のやり取りに、思わず陽気な笑い声を上げると、ノーザはザミュレイの体を軽く抱き寄せながら、重大な秘密をひとつ、ジークリンデにこっそりと打ち明けます。
「この際だから、君にだけは伝えておこう。実は、私たちは恋人同士で、ゆくゆくは『同性婚』をする予定でいる」
「ええ……」
「確かな筋から聞いた話だけどね。実は、もう合法化は時間の問題なんだよ。だから、安心して、ジーク。君だけじゃないんだ。彼女は、私に近づいて来る可愛い子には、みな同じように厳しいのさ。(ウインク)」
「可愛くなんかないですよ、この人は!」
(ええ……。それ、面と向かって言うんか……。)
ややあって、ジークリンデは気を取り直し、ノーザに訊きました。元々、これを訊きたくて、この部屋に来たのです。
「それやったら……ノーザさん。取りあえず、来年からは、どうするんですか?」
「うん。来年からはイメチェンして、ザミュレイのセコンドに回る予定だよ。確かに、私は口調も容貌も性格も中性的だし、何より同性愛者だけど、こんな『あからさまな男装』は、ジムの方からの指示に従って『受け狙い』でやっているだけで、必ずしも本来の趣味ではないからね」
「ええ……」
「マジで着飾ったら、ノーザさんはメッチャ可愛いんですからね!」
思わず言ってしまってから、ザミュレイは『あ、しまった!』という表情を浮かべました。それを見て、ノーザはさらに強く、ザミュレイの体を抱き寄せます。
「大丈夫だよ、ザミュレイ。あんな姿はもう君にしか見せないから。(キス)」
(うわあ。この二人、ガチやん……。)
そうして、その日の午後には、5位から8位までの決定戦が行なわれました。
まず、ノーザがウロムリィにKOで勝利し、次に、グラスロウが実に微妙な判定でザミュレイを下します。
そして、勝者同士の5位決定戦では、ノーザがまたグラスロウにもKO勝利し、敗者同士の7位決定戦では、ザミュレイがウロムリィにKO勝利しました。
さらに何日か置いて、日程はいよいよ最終日です。
準決勝の第一試合は、ヴィクトーリア対ハリーで、「昨年の都市本戦3回戦」と同じ対戦カードでしたが、今度はヴィクトーリアのKO勝利となりました。
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