【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第1節】新暦79年、9月までの出来事。
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シャッハ「これだけの情報入力があって、何故まだ目覚めないのでしょう?(落胆)」
オットー「入力の側ではなく、出力の側に何か問題があるのでしょうか?」
カリム「昨年の7月に少しだけ御本人からお話を聞くことができましたが、あの時のお話からすると、『冥王陛下御自身が今、目覚めたがっていない』とは考えにくいですね」
ディード「つまり、何らかの障害が存在している、ということですか?」
シャッハ「あるいは、ただ単に、必要な〈休眠期間〉がまだ消化されていないだけ、ということも考えられますが……」
セイン「分身に向かって、早く目覚めてくれと語りかけ続ける、ってのはどうですかねえ?」
カリム「いいえ。『すでに精一杯頑張っているのに、結果を出せずに困っている人』に向かって、『もっと頑張れ』などと言ってはいけません。本人が鬱にでもなったりしたら、元も子もありませんからね」
オットー「当面は、『今、目を覚ませば、こんなにも平和で楽しい生活があなたを待っていますよ』という情報を入力し続けるしか無い、ということでしょうか?」
シャンテ「それって、要するに、『今までどおり』って意味ですよね?(不満そう)」
ディード「本人の意識はまだ9歳児のままなのですから、もちろん、世の中の醜い面など、あまり見せつける訳にもいきませんが……なかなかに面倒な話ですねえ」
そんな会話の後、騎士カリムは、思わず『どうか、聖王陛下のお導きがありますように』と天に祈りを捧げました。
(もしも……もしも、聖王陛下に本当に再臨していただけるのであれば、その時は我々の前にではなく、どうか彼女の前に……。)
しかし、そうしたカリムの祈りが本当に天に届くまでには、これからまたさらに16年ちかくもの歳月を要したのでした。
また、それとは全くの別件として、カリムはオットーとディードに、『ヴィヴィオさんのことを「陛下」と呼ぶのは、もう止めるように』と命じました。
再来年には、「聖王昇天360周年記念祭」があるからです。
「これ以上は、ヴィヴィオさんに迷惑がかかってしまうから、遅くとも年内には改めなさい」
カリムに面と向かってそう言われると、オットーとディードはいささか落ち込みましたが、それでも、二人はカリムのそうした命令にも忠実に従ったのでした。
そして、9月の末、ファビア・クロゼルグに早くも判決が下りました。
先月の〈無限書庫〉での騒動は、八神司令の判断によって不問に付されましたが、『祖母の死体を隠匿した』などの罪により、やはり1年間の保護観察処分となります。
他にも幾つか選択肢はありましたが、結局のところ、ルーテシアの時と同じように、メガーヌが保護責任者に、はやてが法的後見
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