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神々の塔
第四十六話 女帝達その六

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「何かと」
「それでもな」
「そうしたお友達はおって」
「そいつ等もな」
「悪影響受けてるんやね」
「そうらしい、腐った奴はな」 
 そうした輩はというのだ。
「周りも腐らす」
「そやから用いたらあかんね」
「そして派閥にもなってな」
「余計に酷いことになるから」
「用いんことや、無能な働き者は有能な働き者になっても」 
 向いていることをさせればというのだ。
「屑はずっとな」
「屑やね」
「人はある程度の人格やと変わりもして」
「よおもなるね」
「けど人の底をブチ抜いて」
 そうしてというのだ。
「餓鬼とか外道にまでなるとな」
「どうにもならへんね」
「世の中、起きた世界でもこっちの世界でもな」
「何処でもやね」
「ああ、どんな宗教でも哲学でも救えん奴がおる」
 性根があまりにも駄目でというのだ。
「誰でもな」
「あんまり酷いと教えも届かへんね」
「むしろ逆にな」
「その教えに文句言うたりするね」
「それもどうでもええ様なことをな」
「そうなるさかい」
 それ故にというのだ。
「救われへんね」
「日野富子さんでなくてもな」
「救われへんレベルの人はおるね」
「そや、曹操さんは能力があれば性格や行いは問わんと言ったが」
「あの人ちゃんとまともな人格の人登用してたし」
「荀ケさんとか華欽さんとかな」
 華欽は三国志演義では悪役であるが実際は全く違う人物だったらしい、礼節と義理を貴び質素で公平で心優しい真面目な人物だったという。
「そうした人達をな」
「用いていて」
「逆に司馬氏はな」
 曹操の家である魏王朝を乗っ取る形で晋王朝を開いたこの家はというのだ。
「どうもや」
「家臣の人格を見てなかったね」
「賈充とかな」
「あの娘さんが評判悪い」
「本人もな」
「ええ人やなかったね」
 実際にあまりよくない話が幾つもある、そして司馬家は彼を重臣の筆頭格として用いていたのである。
「どうも」
「呉の皇帝孫酷が降った時にその罪を糾弾したけどな」
 暴君であった彼の行いをだ。
「そやけどな」
「孫酷さんにあっさり言い返されたんやったね」
「自分もそうしたことしてたしな」
「皇帝さん殺させて」
「そして殺した人に責任は自分が取るとか言うてな」
「その人の三族皆殺しやね」
「皇帝さんの忠臣までな」
 このことは史実でも演義でもある。
「そうした」
「それ見たら性格悪いね」
「娘さんを皇后にして自分の権勢高めてな」
 それと共にというのだ。
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