第一章
[2]次話
何と女の園
親友の北海結が八条学園高等部農業科に進学すると聞いてだ、同じ高校だが商業科に進む青森大輔は言った。北海は彫のある父親がアメリカ人であることが出た顔で茶色がかった髪の毛を鬣の様にしていて一九〇ある長身ですらりとしている。青森は面長で優しい感じの顔で目は小さく黒髪をリーゼントにしている。背は一八〇程で均整の取れた体格だ。
その北海が青森に話した。
「いや、農業科って男ばかりだろうな」
「商業科と違ってか」
「農家って奥さん来ないらしいしな」
このことから言うのだった。
「だからな」
「女の子少ないか」
「そうだろうな、だからな」
青森に寂しく笑って話した。
「もうそう¥したことは諦めて」
「それでか」
「畑仕事とかにな」
「精出していくか」
「そうしてくよ」
「そうか、まあ商業科は女の子多いからな」
青森は自分が行く過程のことを話した。
「だからな」
「紹介してくれるか?」
「そうするな」
こう北海に言った、それは彼等が中学を卒業する時で。
そのうえでそれぞれ入学した、暫く二人は入学してからそれぞれ学校に慣れるのに必死で連絡を取っておらず。
青森はその中で彼女を見付けた、それでクラスメイト達と笑って話した。
「いや、商業科女の子多くてな」
「ああ、男って相当やばくないとすぐに彼女出来るっていうけどな」
「むしろ女の子が取り合いするって」
「そこまでって聞いてたけどな」
「実際にだよな」
「凄いよな」
「これが商業科なんだな」
こう話した、そしてだった。
青森はここで北海のことを思い出してこう言った。
「農業科どうだろうか」
「あっちか?」
「農業科どうかか」
「こっちは女の子多くてもててな」
「彼女すぐにゲット出来てもか」
「ああ、あっちは女の子少ないだろ」
そうしたイメージでというのだ。
「それでな」
「ああ、女の子に縁なくてか」
「それで寂しい人生送ってるかも知れないってな」
「そう思ってるんだな」
「そうなんだな」
「中学の時のツレが農業科行ったけどな」
北海のことを腕を組んで考える顔で話した。
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