第四章
[8]前話
やがて幹部も減っていった、乱れた生活で家庭が崩壊したり健康を害したり迂闊な事故を起こして破滅していき。
次第に減っていった、そこでだった。
組合の下の者から刑事告発や訴訟が相次ぎ組合の悪事が誰もが知ることになりネット上を騒がせる様にもなった、それからは一気にだった。
組合は崩壊した、一連の悪事が公になり警察も入り崩壊した、後には何も残らず組合も解散となった。平はここまで記事にして仲間に言った。
「こうなるんだな」
「ああ、腐り果てた場所はな」
「蠅がたかっていてか」
「その蠅すらいなくなってな」
「最後は汚物ですらなくなってか」
「始末されるか自然と消えるんだよ」
仲間は平に冷静な顔で述べた。
「ああした風にな」
「そうなんだな」
「汚物には蠅がたかるものだよ」
仲間はここでもこう言った、二人は今も居酒屋の個室で飲んでいる。
「そしてやがてな」
「腐り果てて蠅すらいなくなって」
「始末されるか消えるさ、今回は始末されるけどな」
「蠅すらたからない様ならな」
「なくなるだろ、蠅だって腐り過ぎたらな」
「死ぬな」
「そうさ、腐り過ぎは自分も滅ぼすんだ」
彼は平にビールを飲みながら話した。
「そうなるんだよ」
「幹部連中もどんどん事故とか家庭崩壊とか身体壊していなくなったしな」
「そうだろ、腐り過ぎたら汚物ですらなくなって」
「蠅も死ぬな」
「それが世の中さ」
「今回でよくわかったよ、そのことがな」
平は仲間の言葉に頷いた、そしてだった。
彼もビールを飲んだ、そのビールは当然腐っていない。実に美味いビールであり彼はその味を心から楽しめた。
そうしてだ、彼は仲間に言った。
「俺達もああならない様にな」
「気を付けていかないとな」
「そうしないとな」
こう言ってビールを飲むのだった、腐っていないどころか奇麗なそれを。
汚物は蠅 完
2023・9・11
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