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強いけれど世間知らず
第六章
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「クエストの報酬はお二人のもので」
「教団としてはですか」
「それはいいですか」
「はい、それでこちらも報酬を出させて頂きます」
「軍もです」
 カリエラの従兵の彼女も言ってきた。
「無論クエストの報酬はお二人のもので」
「軍もですか」
「報酬を出してくれますか」
「遠慮せず受け取って下さい」
 有無を言わせぬ口調での言葉だった。
「この度は」
「ではです」
「今から渡そう」
 モニカもカリエラも言った、そしてだった。
 二人は教団と軍からも報酬をもらった、これで今回の件は完全に終わりモニカもカリエラもそれぞれの仕える者達と共にだった。
 それぞれの場所に戻った、そしてカルロとフェリペは。
 クエストが終わったことを乾杯して祝った、そのうえで。
 盛大に飲むがカルロはその中で言った。
「滅茶苦茶儲かったな」
「はい、戦闘や進むこと自体は楽でしたし」
「いい冒険だったっていうとな」
「そうでしたね」
「ああ、けれどな」
 カルロはビールをジョッキで飲みつつ言った。
「もう一回な」
「お二人と、ですね」
「どちらともな」
 片方だけでもというのだ。
「ちょっとな」
「冒険はですね」
「一緒にしたくないな」
「そうですね」
「ああ、本当にな」
「お二人とも世間知らずで」
「それもかなりな」
「一緒にいるだけで」
「冒険してるとな」
「大変ですから」
 そうであるからだというのだ。
「もう、ですね」
「いいな、しかもな」
 カルロはさらに言った。
「女の人ばかりだとな」
「そうした宿屋にも行けないですから」
「酒場にもな」
「お姉さん達のいる」
「ましてお二人共立場があってな」
「従兵さんも従者さんも」
「そうしたことは素振りすらな」
 もはやその時点でというのだ。
「見せられないしな」
「そうだよね、だからこっそりとね」
「自分達で、だったな。けれどな」
 カルロはそれでもと言った。
「こうしたことはな」
「相手がいないとね」
「それが一番だからな」
「そうそう、そうしたお店に行くことも」
「楽しみだしな」
「そうだからね、ああした真面目で世間知らずで」
 フェリペはそれでと言った。
「あからさまに言う女の人達が一緒だと」
「行けないからな、じゃあ飲んで食った後はな」
「そうしたお店行こうか」
「そうしような、実はいい店知ってるんだ」
 笑顔でだ、カルロは言った。
「だからな」
「そのお店に行って」
「楽しもうな」
「それぞれいい娘選んで」
「それでな」
 フェリペに言って飲んだ、そしてだった。
 二人はそうした店でも楽しんだ、それからは生真面目で世間知らずで立場がある女性関連の依頼はしなかった。幾ら報酬がよくてもそうし
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