第四章
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「最早」
「しかもドラゴンズの帽子被って言ったぞ」
「本人はいいみたいですが」
「あんなサンタもおるのか」
「今はそうみたいですね」
「世の中は変わったのか」
サンタは今真剣に考え込んだ、そのうえでの言葉だ。
「それでか」
「多様化の時代ですからね」
「それでか」
「ああしたサンタさんもいるってことですよ」
「そうなのか」
「はい、ミニスカートで仏教徒の」
「味噌煮込みうどんが好きでか」
それでというのだ。
「熱燗を飲む」
「ホットワインでなく」
「そんなサンタもおるか」
「今はそうだってことですね」
「全く。訳がわからぬ」
サンタは腕を組み難しい顔になって述べた。
「わしの常識は古いのか」
「古いとかじゃなく多様性ですよ」
「それか」
「はい、ですから」
「受け入れるしかないか」
「少なくとも根は真面目みたいですし」
外見や口調からは想像出来ないがというのだ。
「期待しましょう」
「来年のドラゴンズより期待出来るか」
「何だかんだでサンタさんもご存知ですね」
「カルフォルニア生まれでな」
サンタは自分のことを話した。
「今ロスで話題の日本人がおってな」
「日本の野球にも興味がおありですか」
「大谷翔平さんと言うが」
サンタはその日本人の名前も言った。
「これが桁外れでのう」
「凄い人ですか」
「バケモノじゃ」
こう言うまでに凄いというのだ。
「投打二刀流で一〇〇マイル出してホームランを年に四十本打つ」
「それは凄いですね」
「しかも守備もよく俊足で魔球を幾つも持っておる」
サンタはさらに言った。
「そんな日本人がおってな」
「日本の野球にもですね」
「注目しておる」
「だからドラゴンズもご存知ですか」
「うむ、それでドラゴンズは来年希望はあるか」
「ないと思います」
トナカイはきっぱりとした口調で答えた。
「あの有様では」
「やはりそうか」
「まあ最下位ですね」
来年もというのだ。
「三年連続になりますね」
「やはりそうか」
「まあ友美さんもわかってるみたいで」
「今のドラゴンズは駄目ということがか」
「監督さんが」
まさにその人が問題だというのだ。
「あれじゃあですよ」
「どうにもならんか」
「はい、ですから」
その為にというのだ。
「もう一目瞭然かと」
「そういえば頭の悪い娘ではないな」
「はい、まあドラゴンズは来年も駄目ということで」
「優勝をプレゼントしてくれという子もおるな」
「それは監督さんに言えということで」
先程の二人のやり取りをそのまま言った。
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