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星河の覇皇
第八十五部第三章 北京星系を見てその三十一

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「それでなびかないならな」
「それならですね」
「そうしたやり方もありますね」
「相手の弱みを握る」
「それをちらつかせるやり方も」
「ハニートラップは常だ」
 連合の中ではだ。
「まさにな」
「はい、それはです」
「連合の常です」
「それもまたです」
「美女や美男を用意して楽しませる」
「その場面を写真に撮り脅すことも」
「それもだ」
 かつては中国が有名だったが今では連合の常になっている、こうした謀略が実に多い国でもあるのだ。
「使うこともな」
「考えておられますね」
「大統領としても」
「そうなのですね」
「そうだ、だが」
 ここでまた言うのだった。
「それよりもな」
「やはり賄賂ですね」
「こちらですね」
「こちらを使いたいですね」
「一番仕掛けやすくてだ」
 そしてというのだ。
「効果が期待出来るからな」
「弱みを握って脅すよりも」
「それよりもですね」
「すぐに出せますし」
「そしてすぐに取り込めますし」
「回りくどくもなく」
「また後ろめたさもありませんね」
「だからこそ昔からあってだ」
 そしてというのだ。
「今もだ」
「よく使われていますね」
「左様ですね」
「非常に容易で効果のある工作だからこそ」
「その為に」
「暗殺をよく使った人物もいたが」
 歴史の中ではだ。
「チェーザレ=ボルジアの様にな」
「ボルジア家自体がそうでしたね」
「あの家は毒を使う家でした」
「カンタレラという毒を使っていましたね」
「あの毒を駆使していましたね」
 無論賄賂も使っていたがむしろこちらで有名である。
「何かといいますと」
「邪魔だと思った相手はです」
「すぐに毒殺していましたね」
「そうでしたね」
「それはよくない今は敵でもだ」
 それでもというのだ。
「明日は味方だ」
「連合の常です」
「それこそまさに」
「永遠の敵はいないです」
 連合の諺の一つだ、人間関係はすぐに変わるものだという意味で集合離散が激しい連合ならではの言葉だ。
「ですから」
「暗殺よりもですね」
「賄賂ですね」
「それで取り込むべきですね」
「若し相手の賄賂の方が多ければ」
 その場合はというのだ。
「もうだ」
「それはですね」
「もうですね」
「相手の方につく」
「そうなってしまいますね」
「それもまた謀略だ」
 やはりだった、李は割り切った声で述べた。
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