第百二十六話 言葉を受けてもその八
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体育の時にだ、クラスメイト達にこんなことを言われた。
「ちょっと、ぼーーっとしないで」
「次咲っちの番よ」
「早く行って」
「あっ、そうね」
言われて自分達が今している短距離走に頭をやった。上は白い体操服で下は濃紺の膝までの半ズボン姿である。
「それじゃあね」
「そうよ、どうしたのよ」
「咲っちぼーーーっとしてるけど」
「何かあったの?」
「いや、別に」
近藤のことを考えているとは言えずこう返した。
「ないわ、じゃあね」
「そうそう、走って来て」
「今からね」
「そうしてね」
「それじゃあね」
咲はクラスメイト達に頷いてだった。
走った、それで近藤のことばかり考えている自分に気付いた。
そうした日々が続いてだった、遂に。
マスターから近藤が金曜日それも何時には絶対に交番にいるかマスターが彼自身から何気なくを装って聞き出した話を聞いてだった。
ベルトにハンバーガー、お握りをだった。
買う店も決めた、それでマスターに言った。
「ベルトは奮発して」
「高級のをだね」
「ブランドものを」
マスターに店のカウンターで話した。
「調べてきました」
「男ものをかい」
「男の人のものはよくわからないですが」
それでもというのだ。
「選びました」
「いいのをだね」
「この前お店に行って買いました」
「用意したかい」
「それで後は」
咲はさらに話した。
「交番に行く前に」
「他のもだね」
「ハンバーガーとお握りのお店もそれぞれです」
「見付けてきたかい」
「チェーン店とコンビニですが」
「ああ、あの人別にな」
「そうした場所のものでもですね」
マスターに対して言った。
「いいですね」
「そういうのはこだわない人だよ」
「じゃあそうしたところで買って」
それでとだ、咲もそれならと答えた。
「用意します、そして」
「お花だよな」
「ヒヤシンスも」
この花もというのだ。
「買います」
「その日にだよな」
「放課後になったら」
学校の授業が終わってというのだ。
「それですぐに」
「バイトあってもかい」
「それでもその前に」
必死の顔で言うのだった。
「あの交番バイト先から近いですしバイトはじまるまで時間もあるんで」
「放課後こっちに来てもかい」
「それでいつもバイト先ははじまる結構前からお店にいるんです」
「そうなんだな」
「はい、ですが」
それでもとだ、咲はマスターに話した。
「その時はです」
「バイト先にすぐに行かずに」
「交番に行って」
そうしてというのだ。
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