第九十六話
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第九十六話 ドイツ語は英語から
小田切君が手に取ったのは現代のドイツ語の本だった、それも書斎にあったものだが二匹はそれを見てまた言った。
「ドイツ語も読めるの?」
「そうなのか?」
「うん、ドイツ語は英語と近いところがあるから」
だからだとだ、その本を読みつつ答えた。
「英語をマスターしたらね」
「ドイツ語もわかるんだ」
「そうなんだな」
「それでドイツ語もわかるよ、あとこの本博士が買って」
そしてというのだ。
「僕にも前に読めばいいって言ってくれた本で」
「今こうしてなんだ」
「読んでるんだな」
「そうなんだ、読めるなら」
その本がというのだ。
「僕も読むよ」
「読んでも意味がわかるから」
「それで読むんだな」
「けれど読めないと」
それならというのだ。
「やっぱりね」
「読んでもわからないと」
「意味ないか」
「そうだよ、読めないなら努力すればいいけれど」
読める様になる様にというのだ。
「古代の消えた文字なんてね」
「それこそ博士でもないとね」
「わからないよな」
「博士に聞いてみてもいいけれど」
その本の言語についてというのだ。
「それでも僕はそこまではね」
「思わないんだね」
「博士に教えてもらってまでって」
「博士はお願いしたら教えてくれるけれど」
そうすれば何でも教えてくれるのが博士である、博士はこうした教え好きでしかも上手な一面もあるのだ。
「けれどね」
「それでもそこまでだね」
「小田切君もしないか」
「うん、だから読める本をね」
そういったものをというのだ。
「読んでいくよ」
「今もだね」
「そうしていくんだな」
「そうするよ」
「そう、それじゃあね」
「ドイツ語の本とか読んでいこうな」
「そうするよ」
こう言って今はドイツ語の本を読んだ、そして学んでいくのだった。
第九十六話 完
2023・9・8
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