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第四十五話 属性その十

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「助かっているから」
「それでなのね」
「よかったとすべきよ」
「そういうことね、では遊人の傍には」
 庚は今度はこの話をした。
「ビーストの修理もあるけれど」
「私が」
「お願い出来るかしら」
「え、ええ」
 何処か嬉しそうにだ、颯姫は庚に答えた。
「やらせてもらうわ」
「忙しくなるけれど」
「いいわ、今は人手は少しでも戦いに向けないと」
 戦力的に不利になった現状を見て言うのだった。
「だから」
「ではお願いね」
「どちらもやらせてもらうわ」
「そういうことでね。では貴方達はね」
 再び封真達に顔を向けた。
「戦ってもらうわ」
「やらせてもらいます、それとです」
 封真は庚に応えつつ言った。
「結界のことですが」
「どうしたのかしら」
「この都庁と議事堂それにクランプ学園も結界でしたね」
 この三つの場所のことを言うのだった。
「やはり」
「ええ、その三つは戦いが終わってね」
「俺達が勝った時にですか」
「最後の最後にね」
「壊しますか」
「そうするわ」
 こう封真に話した。
「だからね」
「それで、ですか」
「今はいいわ。都庁と議事堂はそれぞれの拠点で」
 地の龍そして天の龍のというのだ。
「クランプ学園は私達の多くの学校だから」
「最後でいいですか」
「むしろ東京タワーが壊れたら」
 やはり結界であるこの場所がというのだ。
「それでね」
「その三つの結界もですか」
「危うくなるわ、だから」
 それ故にというのだ。
「今はね」
「あの三つの場所はですか」
「気にしなくていいわ」
「わかりました」
「そして今度の戦いは一人で行ってもらうけれど」
「誰でしょうか」
「貴方にお願いするわ」
 封真に告げた。
「いいかしら」
「やらせてもらいます」
「こちらが一人だと」
「天の龍も一人ですね」
「そうなるわ、一対一なら」
 それならというのだ。
「貴方に勝てる天の龍はね」
「神威だけですね」
「そうよ。言ったわね」
「俺達は劣勢になりましたね」
「ここはその劣勢を少しずつでも覆していきたいから」
 そうした状況だからだというのだ。
「それでよ」
「俺が、ですか」
「天の龍の戦力を少しでも減らして」 
 そうしてというのだ。
「いいわね」
「そうします」
「殺さなくてもいいけれど」
 それでもというのだ。
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