第四十五話 歌劇の世界からその七
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「ガチやからな」
「キチガイやからな」
「もうキチガイはな」
「犯罪犯したら処罰して」
責任能力なしなぞと判断してだ、この為起きた世界での日本ではキチガイ無罪などという言葉が存在している位だ。
「そしてな」
「ああした喚く連中はやな」
「あまり酷いとな」
その時はというのだ。
「病院送りや」
「罪はなくとも」
「というか周りがな」
「そうせなあかんな」
「明らかに電波を発してるのはな」
自分達からというのだ。
「確実やと思ってな」
「箸が転がっても人類滅亡って喚くんやとな」
「ガチでな」
それこそというのだ。
「キチガイや」
「そやからやな」
「周りがな」
「あいつおかしいってなってやな」
「通報して」
そうしてというのだ。
「病院送りにせんとな」
「あかんな」
「薬物中毒になった太宰治さんはそうなったな」
シェリルはこの作家のことを話した。
「そやったな」
「ああ、パビナールやっててな」
芥川もそれはと答えた。
「当時そうした薬は合法でな」
「ヒロポンとかもやな」
「買って使用出来たけどな」
「中毒になってやな」
「周りもこれはあかんって思ってな」
太宰の師であった井伏鱒二もその中にいた、井伏にしても太宰のことを真剣に気にかけてのことだったのだろう。
「精神病院に入れてな」
「治療させたな」
「太宰はおかしかったかっていうと」
芥川は考える顔で述べた。
「それはな」
「ちょっと言えんな」
「最後の最後までな」
心中で世を去るその時までというのだ。
「正気やったな」
「あの人は」
「薬物中毒の治療であって」
「おかしくなかったな」
「そやったわ」
「そやな」
ただこの経験が彼の代表作人間失格の結末に至っている、他にも初期の作品ＨＵＭＡＮ ＬＯＳＴでも書かれている。
「あの人は」
「そやったわ、けどな」
「ああした連中はやな」
「ガチやからな」
「もうそうするのが一番やな」
「治るとは思えんが」
その狂気がといううのだ。
「鵜呑みにする子供が出ん様になるからな」
「ええな」
「そや、多少おかしなこと言うてもええが」
「それが過ぎるとな」
「問題や」
こう言うのだった。
「ほんまな」
「それでそうするな」
「予言とか言う連中はな」
「人類滅亡とか」
「この世界を襲う危機は何か」
「それはまだわからんが」
それでもというのだ。
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