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ハッピークローバー
第百五話 秋のイベントその七

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「働かなくてお金もない、地位も立場もない」
「何もなしか」
「それで尊大で恩知らずで図々しい」
「八条分教会にいた人だな」
「ああした人もいるけれどね」
「学歴あるだけましか」
「本当に何もない、誰かに何かをしたことがなくて技能も能力もなくても」
 それでもというのだ。
「自分がこの世で一番偉いで」
「文句ばかり言うんだよな」
「そうした人もいるけれどね」
「もう屑って言っていいな」
「最低よね」
「ああ」
 明男も否定しなかった。
「俺野党の女性党首の人みたいになりたくないし」
「味噌汁茶碗に痰吐いた人にもよね」
「それで天理教の教会にいた人みたいにもな」
「なりたくないわね」
「努力してサラリーマンになってな」
 大学を出てというのだ。
「それでな」
「サラリーマンになっても」
「努力していいサラリーマンにな」
「なるのね」
「絶対にそんな人達みたいにならないよ」
 姉にかなり強い声で言い切った。
「本当にな」
「そうなのね」
「そう誓ったよ」
「いい誓いね、どの人達もね」
「なったら終わりだよな」
「特に最後の人ね」
「うちの学園でも有名だしな」
「あの教会ってうちの学園経営しているお家の人達が信者さんだしね」
「八条家な」
「世界的な企業グループ八条家の経営家で」
 それでというのだ。
「うちの学園も経営してて」
「その人達が信者さんでな」
「有名よね」
「ああ、うちの学園の中に教会あるしな」
 天理教のそれがというのだ。
「あの人のこと有名だよな」
「人のお家に上がり込んでご飯好き放題食べたり」
「厚かましいことでも有名だな」
「兎に角よく言う人がいなくて」
「いいところもな」
「ないんじゃないかっていう」
 そこまでのというのだ。
「どうにもならない人よね」
「ああ、あんな人にはなりたくないってな」
「皆言ってるわね」
「まあ俺あの人じゃなくて普通に働いてる人達見てな」
「サラリーマンになりたいって思ったのね」
「そうだよ、絶対になるよ」
 いいサラリーマンにというのだ。
「俺はな」
「頑張ってね」
 これが姉のエールだった。
「本当に」
「そうなるな」
「ええ、それでね」 
 かな恵はさらに言った。
「そろそろね」
「成海さんかよ」
「うん、成海っちも来るから」
「今日は迎えに行かないのかよ」
「さっきラインで連絡あったの」
 自分の携帯を取り出して話した。
「今日は早起きしたから」
「それでか」
「もうご飯食べて」
 そうしてというのだ。
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