暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第180話:寂しがりやで、でも人見知りな兎との接し方
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ないが、それにしたって今の音は少しデカすぎだとクリスは半眼で響の事を見ている。

 周囲からの視線、取り分けクリスからの視線が痛い響は、慌てながらも腹の虫が鳴った事への弁解を口にした。

「わ、私は至って真面目なのですが、私の中に獣がいましてですね……」
「んなもん透とそこのペテン師の中にだっている。なのに腹鳴らしてんのはお前だけだぞ」
「あ、あうぅ〜……」

 ファントムとただの腹の虫を同列に扱っては、ドラゴンもデュラハンも納得しないだろうが、クリスの言葉に響は仰る通りですと言わんばかりに身を縮こませる。
 そんな彼女に何を思ったのかは分からないが、宮司は朗らかな笑みを浮かべながら立ち上がった。

「では、晩御飯の支度をしましょうか。私の焼いたキッシュは絶品ですぞ」
「そこは和食だろッ! 神社らしくッ!」

 まさかのキッシュと言う献立に、クリスの鋭いツッコミが神社の中に響く。神社でキッシュが出される事への是非はともかくとして、颯人達は飽く迄情報を得る為に来ただけでありそこまで世話になるのは申し訳ないと翼がやんわり断ろうとした。

「ご厚意はありがたいのですが……」

 しかし今回は宮司の方が一枚上手だった。翼が断ろうとするのを遮るように、彼女足りが腹ごしらえをする必要がある理由となる要因を告げた。

「ここにある古文書……、全て目を通すには、お腹一杯にして元気でないと」

 そう言われてしまえば、なるほど断る訳にもいかない。彼がそう言うからには、古文書の内容は相当な量になるのだろう。パヴァリア光明結社の企みを打ち砕く為には、何としてでもその古文書の内容を理解しなければならない。
 それに時間が掛かるのであれば、確かに腹ごしらえは必須と言えた。何より、相手の好意を無碍にするのはそれはそれで失礼に当たる。

「翼、諦めてご馳走になろうぜ」

 奏からもそう言われて、翼は観念して今暫くこの神社に厄介になる事を受け入れるのだった。




 その夜…………

 結局その日は神社に一晩泊まる事になった。颯人達は男女に分かれて、それぞれ別の部屋で夜を明かす。
 そんな中、翼と奏は本部への報告の為、借りた浴衣の上に上着を羽織って夜風から身を守りながらタブレット端末に映った弦十郎にここで得た情報を伝えた。

『門よりいずる神の力か……』
「皆の協力もあって、神社所蔵の古文書より、幾つかの情報が得られました」
「予想しちゃいたけど、やっぱり今回もレイラインを利用した計画を進めてるらしい」
「となると、対抗手段となるのはやはり要石……ねぇ奏? 颯人さんに頼んで前の時みたいにレイラインを弄ってもらう事は出来ないかな?」

 以前颯人は破壊された要石の代わりとなるレイラインの流れを制御する術式を
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