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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第180話:寂しがりやで、でも人見知りな兎との接し方
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らしい。
『多くの神社はレイライン上にあり、その神社も例外ではありません。さらに神いずる門の伝承があるとすれば……』
「つまり、指し手の筋を探る事で、逆転の一手を打とうとしている訳ね」
そう言う訳で、颯人と透を交えた総勢9人の若者達は、普段滅多に足を運ぶ事はないだろう神社の鳥居をくぐって目的の神社を訪れた。
神社の境内に足を踏み入れてまず最初に目を引くのは、本来狛犬がある筈の場所に兎が居る事だった。それだけではなく、境内にある池の中央には水鉄砲を放つ兎の石造があるし、手水舎で水を出しているのも兎の石造と言う徹底さ。これ以上ない位兎を前面に押し出している光景に、ある種微笑ましさと異様さを同時に感じてしまった。
「うへぇ〜、何処を見ても兎、兎、兎……この神社を建てた奴はそんなに兎が好きだったのかねぇ?」
「因幡の白兎っているだろ?」
「うさぎさんがあちこちに……可愛い」
「……マリア、今何て言った?」
「……はっ!?」
兎尽くしの境内を見渡しながら進んでいくと、彼らを宮司と思しき壮年の男性が迎えてくれた。
「話には伺ってましたが……いやぁ、皆さん、お若くていらっしゃる」
「もしかして、ここの宮司さん?」
如何にも貫禄がありそうな男性に響はそう問い掛けた。すると男性は頷いて答えた。
「はい。皆さんを見ていると、事故で亡くした娘夫婦の孫を思い出しますよ」
――……ん?――
そう言いながら宮司は颯人達を見渡し……ある一点で少し長く視線を止めた。彼の視線の動きに颯人は違和感を抱き彼の視線の先を追うが、その先を見る前に彼は視線を動かして口を開いた。
「生きていれば、ちょうど皆さんくらいの年頃でしてな……」
ちょっぴりしんみりした雰囲気でそう呟く宮司に響や切歌も看過されてかちょっぴり湿った雰囲気を纏う。が、それは純粋な2人だけの話。少し頭の回転が速い者は、宮司の彼の発言に違和感を覚えた。
「……ん? おいおい、あたしら上から下まで割とバラけた年齢差だぞ? いい加減な事ぬかしやがってッ!」
初対面の相手に揶揄われた事に思わず激昂するクリスを透が宥める。そんな彼女の怒りを当の本人である宮司は何処吹く風と言った感じに笑顔で受け流してさらりと冗談と宣った。
「冗談ですとも。単なる小粋な神社ジョーク。円滑な人付き合いには不可欠な作法です。初対面ではありますが、これですっかり打ち解けたのではないかと」
そうは言うが、しかし先程の視線と言葉の中に込められた感情に颯人は気付いていた。本人はジョークとして上手く誤魔化しているようだし、事実奏達はそれを彼なりの冗談と捉えていた。その証拠に響と切歌はもう既に安心した様子だし、クリスに至っては呆れた目を宮司に向けていた。
「
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