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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第180話:寂しがりやで、でも人見知りな兎との接し方
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様なマリアからの問いに対し、颯人はこめかみを突いた。今回は先日のクリスと透の件ともまた毛色の違う問題だ。一筋縄ではいかない。
「……マリアはどうなんだ? 切歌ちゃん程じゃないにしても、マリアも調ちゃんとは付き合い長いんだろ?」
ちょっと考えてふとこの事が気になった颯人が訊ねてみれば、マリアからは難しい表情が返って来た。
「残念だけど、私も言う程あの子とは上手く連携できなかったわ」
「マリアでも?」
「なんつーの? こう、マリアに対しては背中を預けるっていうより、背中に隠れてるって言うかさ……」
「月読にとってマリアは頼れる姉の様なポジションであり過ぎた為に、逆に縋ってしまうと言う面があるみたいです。単純な連携はともかく、ユニゾンとなるとその頼り過ぎてしまうのが仇となって……」
なかなかに頭の痛い話である。姉妹同然に、それも上下なく対等に接し続けなければ心を通い合わせる事が出来ないとは。それだけ調の心がデリケートであり、過去の彼女が心に負った傷は深いと言う事だろうか。F.I.S.の研究所時代は揃って過酷だったと聞く。
或いはそんな過去を抱えながらも、明るく爛漫に居続ける事が出来る切歌の方が大物なのだろうか?
「ともあれ、このままだと結構問題だぞ。調だけいざって時に切歌意外と連携出来ないじゃ、そこを敵に突かれるかもしれない」
「何とかして月読の心を開かせる事が出来れば……」
「簡単じゃなさそうだけどな〜。天照大神とまでは言わんが、調ちゃんも事人付き合いに関しちゃなかなかに頑固だと思うぜ?」
年長組4人が揃って唸り声を上げた。これは思っていた以上に難しい問題だ。切歌に対しては何処までも強く信頼できる調の純粋さ。しかしそれが他者に対しては一気に反転し一定のラインからは決して相手を近付けない壁になるとは。
颯人を交えて悩んでいると、そこにふらりと弦十郎がやって来た。彼はシミュレーションルームの待機室に装者全員とガルドを除いた魔法使い2人が揃っているのを見て口を開いた。
「訓練は順調か?」
「旦那も知ってるでしょ? ちょっと今悩んでるところ」
「だろうな。そんなお前達に、少し頼み事だ」
弦十郎の言葉に、颯人達は顔を見合わせた。言動から特に含みは感じないので、本当にただの頼み事の類なのだろう。それにしたって戦闘要員ほぼ全員と言うのは…………
「……気遣いがお上手な事で」
思わず零した颯人に、弦十郎が頼もしい笑みを返してきた。
***
颯人達が弦十郎から言い渡されたのは、パヴァリア光明結社の企みのヒントとなり得る情報を得る為にある神社へと向かう事であった。
その神社の名は、
調
(
つき
)
神社。その神社には何でも神いずる門の伝承とやらがある
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