第四十四話 地絆その十一
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「そしてです」
「地の龍が勝つ様にするわね」
「もう一人もです」
仲間達を見て庚に話した。
「絶対にです」
「そうよ、皆生きるのよ」
「この戦いで」
「正直負けてもいいわ」
天の龍達とのそれにというのだ。
「けれどね」
「生きることですね」
「そうよ、そしてね」
そのうえでというのだ。
「戦いが終わっても」
「楽しく生きることですね」
「そうしないとね」
庚は仲間達に告げた。
「私は許さないわ、そして戦いが終わったら」
「ピクニックですね」
「皆で行って」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「楽しむことですね」
「そうするのよ」
微笑んで話した、地の龍達は墓参りの後も星史郎を想いそして彼等の中で誓いもしたのだった。そうしてだった。
牙暁は夢の中で北都と話している時に言った。
「君は今どう思っているかな」
「予想通りってね」
北都は牙暁に微笑んで答えた。
「思っているわ」
「予想通りだね」
「ええ、そうね」
その様にというのだ。
「思っているわ」
「彼が死んで」
「昴流ちゃんが跡を継がなくてね」
そうなってというのだ。
「私はね」
「そうなると思っていて」
「その通りになったから」
だからだというのだ。
「こう言うのよ」
「そうなんだね」
「星ちゃんの本音はわかっていたから」
牙暁に微笑んで話した。
「ああするってね。けれどね」
「君としては」
「二人にね」
昴流だけでなく星史郎にもというのだ。
「生きて欲しかったの」
「だからこそ彼に術をかけたし」
「きっとああなるって思っていたけれど」
それも絶対にというのだ。
「けれどね」
「それでもだね」
「二人には生きていて欲しかったわ」
この本音を言うのだった。
「絶対に」
「君はそう望んでいても」
「星ちゃんはその運命を選ばないでね」
「死んでだね」
「もう自分で終わらせることをね」
このことは寂しい顔になって話した。
「望んでいてね」
「その運命を選んだね」
「うん、桜塚護の因縁をね」
「彼は終わらせたね」
「もう誰もね、昴流ちゃんもね」
「桜塚護にはならない」
「そして昴流ちゃんは地の龍にもならないで」
これもなくというのだ。
「ずっとね」
「彼等のところにいられる」
「そうなったわ。星ちゃんは死んだけれど」
北都の想いの一つであるこのことは適わずというのだ。
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