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太った義兄
第一章
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                太った義兄
 姉夫婦の家に呼ばれてだ。
 松方雄太郎穏やかな顔立ちで色白で丸い顔で眼鏡をかけた黒髪を真ん中で分けている一七〇位の背でサラリーマンをしている彼は自動車のディーラーをしている義兄の国光幾多郎大柄で鋭い目に長方形の顔と薄い唇の彼に言った。
「あの、義兄さん太ったかな」
「そうなんだよ」
 国光は松方に笑って応えた。
「最近肉がついてきてな」
「前に会った時よりもね」
「結婚した時と比べて二十キロよ」
 松方の姉で今は国光姓の愛生が言ってきた、黒髪をショートにしていてあどけない顔立ちで背は一七〇ありスタイルがいい。
「最近特にね」
「いやあ、奥さんの造る飯が美味くて」
 国光は笑って話した。
「ジムに通ってるけれどな」
「そこで運動するよりもなんだ」
「食べてな」
 それでというのだ。
「そのお陰でな」
「太ったんだ」
「困ったな」
「本当に困ってる?」
 松方は思わず国光に尋ねた。
「そうなのかな」
「いや、やっぱり太るとな」
 国光は笑って応えた。
「動きが鈍るし」
「健康にもよくないね」
「それはわかってるよ」
 その太った身体で言うのだった。
「俺も」
「それでもね」
「あまりか」
「困ってる様には見えないけれど」
「本当に困ってるよ、健康診断でも言われたし」
「じゃあ気を付けないと」
「だからね」
 愛生がここでまた言った。
「私が食事切り替えるの」
「姉さんがなんだ」
「この人いつも私が作ったご飯食べてるから」
 それでというのだ。
「太ったし。これまでカロリー高いものばかりだったけれど」
「それをなんだ」
「替えるから」
 そうするというのだ。
「私この人とが好きな揚げものとかバターとかふんだんに使ったもの作ってたけれど」
「俺そういうの好きだしな」
 国光も否定しなかった。
「実際に」
「けれどこの人実はあっさりりたものも好きだってわかったから」
 このこともというのだ。
「工夫してくわ」
「そうするんだ」
「ええ、それでこの人元々運動してるし」
 ジムに通っていることも話した。
「そこに出来るだけ歩いてもらって」
「そっちでも身体を動かしてもらって」
「幸いまだ成人病にはなっていないから」
 そこまで至っていないというのだ。
「だからそうなる前にね」
「そうしていくんだ」
「そうするわ」
「いやあ、これから努力するか」 
 義兄はまた笑って言った。
「大変だな」
「本当にそう思ってる?」
「思ってるから言うんだよ」
「だったらいいけれど」 
 松方は国光とそんな話をした、そして姉夫婦と一緒に夕食をご馳走になったがその夕食は鶏肉の鍋で思った。
「お野菜やお豆腐多くて」
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