第二章
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「これはね」
「いい感じだね」
「サービスもお食事もよくて」
「お風呂もな」
「伊達にそこで一番のホテルじゃないわね」
「うん、何もかもがいいね」
「そしてロイヤルスイートもね」
「いいね」
口コミで書かれていることはだ。
「じゃあここだね」
「このホテルのロイヤルスイートにしましょう」
二人で決めかけた、だが。
ある書き込みを見てだ、二人は固まった。
「えっ、このホテルのロイヤルスイートって」
「天皇皇后両陛下がお泊りになられたことがあるの」
「こちらに来られた時に」
「そうだったの」
「ちょっとこれは」
かなり引いてだ、夫は言った。
「流石にね」
「ええ、私達がね」
妻もかなり引いて言った。
「そんなね」
「天皇皇后両陛下がお泊りになられたお部屋に泊まるのは」
「流石にね」
「恐れ多いね」
「そうよね」
「料金の問題じゃなくて」
奮発しても泊まれることは事実だ。
「それでも」
「両陛下がお泊りになられたのなら」
「遠慮しよう」
「そうしましょう」
「次にいいお部屋にしよう」
夫は妻に提案した。
「今回はね」
「そうすべきね」
妻もその提案に頷いた。
「ここは」
「そうだね、それじゃあ」
「ええ、そうしてね」
そのうえでというのだ。
「旅行行こう」
「そうしましょう」
夫婦で話してだった。
そのうえでホテルに連絡をしてスイートルームを予約して旅行した、一家でホテルも料理も観光地も楽しんだが。
その後でだ、夫は妻に言った。
「いや、お金があっても」
「それでもね」
「両陛下となると」
「あの方々がお泊りになられた場所はね」
「遠慮しないとね」
「そうよね」
「やっぱりあの方々は国家元首で」
そのお立場であられてというのだ。
「しかも長い歴史を持つお家でしかも皇帝になるから」
「格で言うとね」
「僕達とは違うよ」
「そのことは事実だしね」
「やっぱり一国民としてはね」
「こうしたことは遠慮しないとね」
夫婦で話した、それで今回の決定はよかったと思うのだった。そして以後もそうしたことを頭に入れつつ家族で旅行をするのだった。
そんな部屋は泊まれない 完
2023・11・23
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