暁 〜小説投稿サイト〜
星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第七十四話 第十三艦隊、誕生
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
さんに小突かれて小さい悲鳴を上げている。衆寡敵せず…その通りなんだよ。寡兵を以て大軍を討つ…聞こえはいいがとんでもない難事なんだ。百対二百とかであればまだやりようはあるけど、七千五百対一万五千では全くお話にならない。
 アッテンさんがマイクに近寄って耳打ちしている。マイクが頷くとアッテンさんは済ました顔で艦長席に戻って行った。
「閣下、旗艦艦長より報告です。全艦戦闘配置につきました。艦隊全力発揮可能です」
「ダグラス大佐、了解した。運用主任参謀」
「はっ」
「全艦戦闘配置完了までの所要時間は?」
「十八分三十一秒です」
「十分以内で配置が完成する様に各艦を指導する様に」
「了解致しました」
「参謀長、この後はどうお考えです?」
「そうですね、閣下が宜しければ小官が発令致しますが…?」
「お任せします」
「了解致しました……全艦、警戒監視を厳とせよ。また休息は現配置のまま各艦所定とする」
ヤンさんは下令後大きく息を吐くと頭を掻いた。
「結構です参謀長。皆さんも交替で休憩を取るように」
皆が各々のため息をつきながら休息の順序を決めている。とりあえずは各参謀がそれぞれ半数ずつ艦橋に居ればいい。

 エリカがコーヒーのおかわりを注いでくれた。いつの間にか紅茶セットも用意してくれている。
「そういえば、参謀長には突然男の子のお子さんが出来たと聞きました」
「キンスキー少尉、よく知っているね」
「司令官閣下が教えて下さいました。何でもキャゼルヌ准将の企みだとか」
ヤンさんははにかんだ笑みを返す。
「そうなんだよ。お前は社会人男性として義務を果たしていないのだから、せめて社会貢献をしろと」
「社会人男性の義務…?」
「そう、結婚の事さ」
「あ…失礼致しました」
「いや、気にしなくてもキャゼルヌ先輩の言う事は半分は合っているが、半分は間違っているんだ」
「そうなのですか?」
「そうだよ。私は立派に義務を果たしているよ。選挙、納税、そして軍人として。それに、そもそも結婚する相手が見つからないのだから、果たしたくても果たしようがない。大体だ、妻帯者だからといって偉そうに説教するのが気に食わない。私は結婚していなくても人類の歴史に貢献した人物達を四、五百人はリストアップ出来るよ」
ヤンさんはベレー帽をくしゃくしゃにしながらしかめっ面をしている。
「私は妻帯者で人類の歴史に貢献した人物をもっとリストアップ出来ますよ、参謀長」
ヤンさんは心外そうな顔をした。いやあ、こういう原作っぽい会話はたまらんな!
「閣下まで先輩の味方をするんですか…」
「いえ、キャゼルヌ准将ならこういう風に返すだろうと思ったんですよ。あの人はジョークが下手ですからね」
「ははは、それは言えてますね」
エリカも吹き出すのを堪えられず下を向いてい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ