【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
【第6節】背景設定3: 管理局の歴史とその諸制度について。(前編)
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して、今まではティアナの時のように「考査試験」(主に筆記試験)を受けるだけで充分だったのですが、これからは「本人の思想信条や背後関係」なども(執務官試験と同様に)綿密に調査され、ルネッサのような「思想的に問題のある人物」は『成績には関係なく落とされる』という仕組みになります。
また、この制度改革に伴い、執務官の補佐は、まず二種類にきっぱりと分けられました。
戦闘行為には参加しないことを前提とした「事務担当補佐官」と、逆に、参加することを前提とした「現場担当補佐官」です。
このような区分は、以前から「現場の慣習」としては存在していたのですが、今回の制度改革ではそれを正式に法制化し、試験の内容も互いに別々のものとしました。
具体的に言うと、事務担当補佐官用の「第二種補佐官試験」には「魔法実技」の科目が無い代わりに、法律関連の科目などは現場担当補佐官用の「第一種補佐官試験」よりもむしろ難しい内容に(執務官試験と大差が無いほどの内容に)なっています。
(そのため、必ずしも『第二種の方が簡単だ』とまでは言い切れません。)
また、将来的に執務官を目指すのであれば、当然ながら「現場担当補佐官」としての経験を積んでおいた方が次の執務官試験で有利になりますが、必ずしも「現場担当補佐官志望者」のすべてが将来的に執務官まで志望している訳ではないようです。
そこで、管理局の〈上層部〉は検討を重ねた結果、「第一種補佐官試験」をさらに、空戦スキル必須の「第一種・甲類」と空戦スキル不要の「第一種・乙類」とに分けることにしました。
これによって、以後、執務官まで志望している訳ではない一般陸士たちは、もっぱらこの「第一種・乙類」の方へと流れて行くことになります。
局としては、執務官の「質」を下げる訳にはいかないので、執務官試験それ自体は今までどおりの「狭き門」にしておかなければならなかったのですが、その一方で、『次元航行部隊の戦力増強が今ひとつ思うようには進んでいないので、次元世界全体の治安維持のため、せめて執務官勢力の戦力増強を図りたい』という思惑があったのです。
要するに、〈上層部〉としては、個々の執務官にもっと「乙類の現場担当補佐官」の人数を増やして、手広く活動してほしかったのですが……そのためには、どうしても報酬の規定に関する法律を変更する必要がありました。
しかし……例えば、『人数に合わせて、成功報酬を増額する』という制度にしてしまうと、今度は、執務官たちが、みな必要以上に補佐官の頭数だけを増やしてしまう可能性があります。
そうした懸念もあって、この法改正には、さらに幾年もの歳月を要したのでした。
ちなみに、補佐官を経験してから執務官になる者の数は、60年代から少しずつ増え始めていた
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