【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
【第5節】キャラ設定3: 冥王イクスヴェリア。
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りかご〉に乗る直前に、イクスヴェリアは再び二十年余に及ぶ長い眠りに就いてしまいました。
次に目を覚ました時には、「最後の地上の聖王」アルテアもすでに崩御しており、人々はみな、我勝ちにベルカ世界からの脱出を始めていました。
(この時点で、彼女が不老不死の体になってから、すでに八百年余の歳月が流れ去っています。)
イクスヴェリアの「下の兄の、遠い子孫」である33代目の大公は、涙ながらに彼女にこう語りました。
『私は、この世界と「運命」を共にします。私には、他の国の王たちと同様、「国家の統治者」として、その責任があるからです。
ですが、あなたには、そのような責任はありません。あなたは、ただ「歴代の大公」を始めとする為政者たちの都合で、いいように働かされていただけなのですから。
残念ながら、今のベルカの技術力では、あなたにかけられた「不老不死の呪い」を解くことができません。ですから、もしもこのベルカに留まり続けたら、あなたはやがて「死に絶えた世界」の中で、たった一人で永遠に、ただ無為に生き続けなければならなくなってしまいます。
ですから……あなたにもいろいろと思うところはあるでしょうが……どうか、ここは耐えがたきを耐えて、一旦は別の世界へと落ち延びてください。そうすれば、いつの日か、その呪いの解ける日が来ないとも限らないのですから』
それは、あえて悪く受け取るならば、『落ち延びたからと言って、呪いが解けるとは限らない』という言い方でしたが、冷静に考えれば、確かにそのとおりなのでしょう。
問題は行く先ですが……。
イクスヴェリアは昔、フランカルディ家(ミッドチルダ総督家)の人々が、しばらく国賓としてガレアの王宮に滞在していた折りに、彼等からミッド語を学んだことがありました。今でも、日常会話ぐらいなら、何とかなりそうです。
そうした言語の問題を考えると、ミッド以外の世界に行くのは、あまり得策とは思えません。
しかし、問題は、『冥王イクスヴェリアのことをよく知る者たちが多く住んでいる土地に、冥王本人が住み着いたのでは、その人々をただ徒に怯えさせてしまうだろう』ということでした。
また、もうひとつの問題は、『今や「最後のマリアージュ」となった〈軍団長ヴァロザミア〉をどうするか』ということでした。
冷静に考えれば、このまま「滅びゆくベルカ世界」に放置してゆくべきなのでしょう。
しかし、彼女はもはや、イクスヴェリアと同様に「不死の存在」です。
イクスヴェリアの「不可侵の肉体」とは違って、彼女の体を破壊することは(充分な破壊力さえあれば)可能でしたが、それでも、敵から「意図的な破壊」を受けない限り、彼女はもう(イクスヴェリアと同じく)自然に死ぬことはできないのです。
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