【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
【第5節】キャラ設定3: 冥王イクスヴェリア。
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知らされてはいなかった』という「解釈」で行きます。】
また、それに合わせて(?)イクスヴェリアの方にも、やがて変化が現れました。
眠りに就いてしばらくすると、意識だけが覚醒し、眠り続ける身体から〈意識体〉を切り離して自由に動き回らせることができるようになったのです。
(俗に云う「霊体離脱」のようなものでしょうか。)
もちろん、ただの〈意識体〉なので、その姿は普通の人には視えません。また、壁や床や天井も自由に通り抜けることができます。
最初のうちは、イクスヴェリアも(精神的には、まだ9歳児のままなので)面白がって城の中のあちこちを覗いて回り、人々の話に耳を傾けたりもしていたのですが、何かしら霊感のある者にはイクスヴェリアの姿が「それとなく」視えてしまうらしく、やがて『ガレアの王城には小児の幽霊が出る』ともっぱらの噂になってしまいました。
そこで、イクスヴェリアは王都の中心に位置する王城を離れ、周囲の市街地へと繰り出すようになりました。
一般庶民にとってはごく当たり前の生活風景も、イクスヴェリアにとっては、とても興味深いものばかりです。
そして、また何か月かして、街角の散策にも慣れて来ると、彼女はさらに『王都の外に住んでいる人たちは、どんな暮らしをしているのかしら?』などと考えるようになりました。
ですが、何度試してみても王都の外にまでは出られません。どうやら、自分の身体からは、せいぜい数千歩しか離れることができないようです。
しかし、イクスヴェリアはやがて『自分と「波長」の合う者にならば「憑依」することができ、そうやって誰かの身体に宿ってさえいれば、自分の身体から遠く離れた場所へも普通に行くことができる』ということに気が付きました。
憑依している間は、宿主と五感を完全に共有することができ、多少ならば記憶や感情を読み取ることもできるのですが、宿主の方は自分が憑依されていることには全く気がつきませんし、イクスヴェリアの方も宿主の意識や身体にまで働きかけることは全くできません。
また、『宿主の身体から少しでも離れると、即座に憑依が解け、瞬時にして自分の身体の許へと引き戻されてしまう』というのが難点でしたが、逆に言えば、飽きたらいつでも自由に帰って来ることができるのです。
イクスヴェリアは好んで交易商人や吟遊詩人などに憑依し、諸国を巡りつつ、努めて見聞を拡げてゆくようになりました。
無論、それも元々はただ単に「小児らしい好奇心」に基づいた行為でしかなかったのですが、そうした見聞によるさまざまな知識は、結果として彼女の「王としての資質」を次第に高めてゆくことにもつながっていったのです。
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