【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
【第5節】キャラ設定3: 冥王イクスヴェリア。
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がて、海面の上昇により、この地下神殿は「海底神殿」と化しました。しかし、その時点ではまだ『百年あまり後に、この海底神殿の西方に「新首都クラナガン」が築かれることになる』などとは、誰にも予想はできなかったのです。】
その後、フォルクハルトとマティルダは身分の差を超えて結ばれ、二人の子孫はミッドで商人として相当な地位と財産を築きました。
しかし、結局のところ、イクスヴェリアとフォルクハルトとの約束が果たされることはありませんでした。
時は流れて、新暦51年。経済恐慌で窮地に陥ったその子孫たちは、遠い祖先から受け継がれた崇高な使命を忘れ、例の社が建つ土地の「大半」を建設業者たちに売り払い、金に換えてしまったのです。
その土地とその西隣の土地は、後に合わせて整備され、そこにはやがて「マリンガーデン」ビルが建設されたのでした。
そして、新暦78年6月。
「軍団長ヴァロザミア」と〈操主の鍵〉の接近によって、イクスヴェリアは「予定外の目覚め」を迎えてしまいました。
(ええっと……。扉を開けて、階段を昇って……それから、どうするんだったっけ?)
イクスヴェリアはまだかなり寝ぼけた状態のまま、カプセルを開け、自分の脚で立ち上がりました。長く眠りすぎていたためでしょうか、少し足がふらつきます。
随分と広い「隠し部屋」の正面の(南側の)壁には左右に一つずつ扉がありました。イクスヴェリアは何も考えずに、右側の(西側の)扉に向かいます。
(もし、ここで左側を選んでいれば、あんな状況には陥らずに済んでいたのでしょうか。いや。あるいは、もっとヒドい状況に陥っていたのかも知れません。)
倉庫を通り抜けると、目の前の通路にはやや手前に右折路があり、もっと奥で突き当たって左折路になっていました。
その左折路に入っていれば、すぐにも「三番目の踊り場」に辿り着けていたはずなのですが、イクスヴェリアはまるで何かに惹き寄せられるようにして、手前の右折路に入ってしまいます。
イクスヴェリアは、その右折路だけが『床も壁も天井も妙に真新しい』ということにすら気づかぬまま、突き当たりの(ほんの数段しかない)階段をふらふらと昇り、いささか立て付けの悪い「鉄の扉」を押し開けました。
(鍵がかかっていなかったのは、全くもって保安担当者の怠慢と言うより他にはありません。)
その時点では、イクスヴェリア自身もまだ気がついてはいませんでしたが、そこはすでに「マリンガーデン」ビルの中でした。地下二階の、普段は人間の立ち入らないパイプスペースです。
イクスヴェリアが暗がりの中、しばらく保守点検用の通路を進み、また一つ扉を開けると、唐突に明るい場所に(普段から客やスタッフの往来する通路に)出ま
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