暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
 【第5節】キャラ設定3: 冥王イクスヴェリア。
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に上手く組み合わさった状態で」結合した訳ではなかったのでしょう。

 しかし、適合率が高かったためでしょうか。二つの〈宝玉〉はすでにイクスヴェリアのリンカーコアと強固に結合してしまっており、もはや分離は相当に困難な状況となっていました。
 理論上は、彼女を殺しさえすれば自然に分離するはずなのですが、〈宝玉〉の力によって護られたイクスヴェリアは、もう普通の手段では殺すことができません。斬り裂こうが、火で焼こうが、瞬く間に回復してしまうからです。
 イクスヴェリア王女は、たとえ彼女自身がそれを強く望んで最大限の努力をしたとしても、もはや「死ぬこと自体ができない存在」と化していたのでした。

 それでも、改めてこの実験をやり直すためには、やはり、無理やりにでも一旦、イクスヴェリアのリンカーコアから二つの〈宝玉〉を分離し、回収する以外には手がありません。
 そのため、国王は自分の娘が犠牲になることすら覚悟の上で、技術者たちに分離作業の強行を命じました。
 しかし、今回の作業もまた「半分成功、半分失敗」に終わりました。
 イクスヴェリアのリンカーコアから分離できたのは〈青の欠片〉の方だけで、〈赤の欠片〉の方は、その片割れを強引に分離した「反動」によるものでしょうか。イクスヴェリアのリンカーコアとさらに強固に結びつき、間もなく完全に融合してしまったのです。
 当時のベルカ世界の技術力では、もはやどう頑張っても分離は不可能でした。
 こうして「死者蘇生」の夢は、はかなく(つい)え去ったのです。

 しかし、国王はそこで気持ちを切り替え、『それならば、せめて娘の「無制限に〈生ける屍〉を造り出す能力」を自在に制御できるようにしよう』と考えて、〈青の欠片〉を「大きな鍵」の形をしたデバイスの中に組み込みました。
 結果として、イクスヴェリア王女は、単体では『ただ単に不老不死だ』というだけで、身体的には『成長も老化もせず、永遠に無力な小児(こども)のままである』という存在になってしまいました。
 ただ、例のデバイスが彼女の身体(からだ)に直接に触れた時にだけ、『周囲にある、まだ生温かい死体を際限なく〈生ける(しかばね)〉へと造り変える』という特殊能力が発動するのです。
 それも、彼女の意志とは全く無関係に、自動的に発動するので、「彼女から数千歩以内の距離にある、死後十数時間以内の死体」はすべて、全く無差別に〈生ける屍〉と化してしまうのでした。

 やがて、その〈生ける屍〉は〈マリアージュ〉と、そのデバイスは〈操主(そうしゅ)の鍵〉と呼ばれるようになりました。
 なお、一般のマリアージュは、人間の言葉を理解して「操主の鍵を持つ者」の命令に従うことはできるのですが、御世辞にもあまり知能の高い存在では無く、また、人間の言葉を上手くしゃべることもで
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