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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
 【第5節】キャラ設定3: 冥王イクスヴェリア。
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「始まりの世界アルハザード」がこの〈次元世界〉から姿を消して幾百年かが経過した頃、古代初期のベルカ世界では、『アルハザードの遺産を使って先史時代の技術を再現しよう』とする一連の運動が起こりました。
 そして、ベルカ諸王国の中でも由緒の正しい、南部州のガレア王国では、アルハザードでは本当に実現されていたと言う「不老不死と死者蘇生」の研究が進められました。幸いにも、ガレア王国には「王家の秘宝」として、とある〈アルハザードの遺産〉が受け継がれていたのです。
 それは、(すさ)まじい魔力(ちから)を秘めた一対(いっつい)の〈エネルギー結晶体〉でした。どちらも「軽く(てのひら)に乗るような大きさで、球体から一本の大きく湾曲した(つの)が生えたような形」をしています。
(要するに、地球で言う「勾玉(まがたま)」を、もう少し立体的に膨らませたような形です。)

 また、それら二つの〈宝玉〉は、昔から〈赤の欠片(かけら)〉・〈青の欠片(かけら)〉と呼びならわされて来ました。〈赤の欠片〉はただ純粋に「莫大(ばくだい)な魔力と生命力」を、〈青の欠片〉はそれらを「自在に制御する力」を、各々(おのおの)司っているのだと伝えられています。
 それらの〈宝玉〉を「互いに(つの)同士が上手く組み合わさった状態で」魔導師のリンカーコアに結合させることができれば、その魔導師は莫大な魔力と生命力を得て事実上の〈不死者〉となり、さらには、その生命力を他の人々にも「自在に」分け与えることができるようになるはずでした。
(死んだ直後の人間ならば、本当に蘇らせることすらできるかも知れません。)
 ですが、実際には、それら二つの〈宝玉〉には「適合者」が全く見つかりませんでした。
『適合率の低い魔導師に無理に結合させても、その魔導師自身が〈宝玉〉の力に耐えきれず、ただ無駄に死んでしまうだけだ』という事実は、すでに実験によって「繰り返し」確認されています。

 そして、初めて見つかった「高レベルの適合者」が、王家の末の姫で、当時わずか9歳のイクスヴェリアでした。当時49歳の国王は、心を鬼にして実の娘を実験台にします。
 成功すれば、彼の末娘は『傷ついた者たちを際限なく癒し続ける』ことができる「女神のような存在」になるはずでした。
 しかし、実験の結果は「半分成功、半分失敗」でした。
 すなわち、イクスヴェリア自身は事実上の不老不死を獲得しましたが、彼女はその莫大な生命力を「まだ生きている人間」には全く分け与えることができなかったのです。
 彼女にできるのは、ただ「死んで間もない体に〈かりそめの命〉を与えることで、無制限に〈生ける(しかばね)〉を造り出すこと」だけでした。
 おそらく、二つの〈宝玉〉は彼女のリンカーコアに「一応は」結合したものの、それほど「互い
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