【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
【第3節】新暦78年、6月から9月までの出来事。
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ルバザウムへ行くことが可能だったようです。
その古文書によると、今から760年ほど前に、ベルカ世界の近傍領域で何本もの次元航路が一斉に崩壊する、という大事件がありました。それ以前には、今では使えない航路も数多くが本当に航行可能だったようです」
「それでは、彼等はファルメロウや地球などを経由して来てはいない、ということか?」
「ええ。ドルバザウムの自然環境は当時から決して人間に優しいものではなく、あそこよりも住みやすい世界など、他に幾らでもありました。他の世界を経由して来たのなら、その世界にそのまま居付いた方がずっとマシだったはずです。わざわざドルバザウムを選ぶ理由が解りません。
特に、ファルメロウは、今と同じく自然も豊かな上に、当時はまだ無人の大陸が幾つも残っていて、理想的な入植地だったはずです。やはり、彼等はベルカ世界から直接にやって来て、その直後に航路が崩壊して『帰りたくても帰れない』という状況に陥ったと考えるのが妥当でしょう」
そこで、ユーノはふと考えました。
(今から760年前と言えば、地球では「元寇」とかの時代だったはずだが、古代ベルカ人がその頃に、地球にまで来ていたと考えるのは、さすがに無理がある、ということか。
しかし、次元航路が崩壊した後、その移民船では燃料や航続距離の問題で「大回り」で帰ることもできなかったのだとしたら……その移民船は今、一体どこに? 大破したのだとしても、多少の残骸ぐらいはどこか遺跡の近くに残っているはずだ。何故、見つからないのか?)
ダールヴからの報告が終わると、まるでそれを見計らったかのように、今度はヴィヴィオが入室して来ました。ダールヴはヴィヴィオに会釈をして、入れ替わりに退室します。
その様子を見て、ヴィヴィオはいかにも申し訳なさそうに、ユーノに頭を下げました。
「何だか、お邪魔しちゃったみたいで、申し訳ありません」
「いや、構わないよ。ちょうど話は終わったところだ。ところで、何だったかな?」
「えっと……大航海時代の資料はざっと分類しておいたんですけど……この『マルデルの手記』という本だけは時代が違うんじゃないかと思って、確認してほしくて持って来ました。素人考えですが、とても新暦の10年代や20年代に書かれた内容だとは思えないんです」
ユーノは、ヴィヴィオから手渡された本をパラパラとめくって見ました。
内容的には、どうやら、技術開発者の「日記兼アイデア帳」のようです。文字はかなり少なく、ほとんど手書きの図面ばかりでしたが、その内容はあまりにも現代的(もしくは、近未来的)で、ユーノの目にも、とても50年以上も前に書かれたものには見えませんでした。
「うん。確かに、そのようだ。よく見つけてくれたね。ありがとう」
そう言って頭を撫
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ