暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
 【第3節】新暦78年、6月から9月までの出来事。
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が、後述のアンナは同じ学校の先輩です。】


 また、8月のうちには、ユーノ司書長も無事に退院しました。
 そして、翌9月の上旬には早速、無限書庫の管理室で、ダールヴ・スクライアからの報告を受けます。
 彼は、二年前からユーノと「ベルカ在住のスクライア一族」との連絡役を務めており、最近では考古学者のフランツ・バールシュタイン博士とも親しくなっていました。
【ちなみに、76年に発掘調査が始まって以来、ベルカ世界からは続々と新たな知見が集まって来ており、ユーノはいずれ、それらに基づいて著書を執筆する予定でいました。
(そして、後に述べるとおり、新暦84年には、実際に出版されます。)】

 また、ダールヴは今や、ほとんどユーノの個人的な「従者」と化しており、ユーノは彼にベルカ世界のことばかりではなく、ドルバザウムのことも頼んでいました。
 そこで、今回はドルバザウムについての報告です。

 さて、12年前(新暦66年)の「ちょっと奇妙な追加調査」の依頼とは、『すべての遺体が本当に「同じ時期に」死んだものかどうかを確認してほしい』というものでした。
 そんなことを確認して一体何になるのか、スクライア一族の人々にもよく解りませんでしたが、ともかく、先月には「すべての遺体の確認作業」がようやく終了したのです。
『特に急ぐ話ではない』と言われたのを()に受けて少人数でこつこつと作業を進めたため、十年以上もかかってしまいましたが、その結果、「その遺跡の墓地」に埋葬されていた遺体は、すべてが間違いなく「全く同じ時期」に、おおよそ760年前に死亡したものであることが確認されました。

 ダールヴはユーノに語りました。
「あの時代のベルカにも、すでに『祀り上げ』の風習はあったはずなんですが、ドルバザウム遺跡の集合墓地には、祀り上げの行なわれた形跡が一切ありません。一度建てられた墓標が後から撤去された実例は、ひとつも見つからなかったそうです」
「つまり、最初に死者が出てから、最終的に全滅するまで、30年もはかかっていない、ということか?」
「30年どころか、ほんの数年……いや、下手をすれば、一年たらずかも知れませんね。やはり、ドルバザウムの遺跡は、やや小型の移民船で一度に百人あまりがやって来て、それからさほど時間を置かず、一気に全滅したものである可能性が高いようです。おそらくは、疫病か何かで」
「そう考えれば、あの『雑な埋め方』にも納得がいく、ということか……」
「そうですね。乳幼児や小児の遺体が全く見つからなかったのも、現地では子供を作っている余裕など無かったからだと考えれば、納得できます」

「他には、何かあるかい?」
「はい。今回、ベルカで新たに見つかった古文書によれば、やはり、当時はベルカから『大回り』をせずに、直線的にド
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