【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
【第2節】事件当時の各人の動向。(後編)
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「鳳凰」とかいう「鳥をモチーフにした空想上の生物」を自分たちの帝国のシンボルにしていた』ということも、その理由なのでしょうが……どうやら、古い土着の宗教においても、鳥類は『人間の魂が天に昇るのを邪魔する邪悪な生き物』という位置づけだったようですね。
今でも……全体として見れば、魔法はもうミッド式が主流になっているのですが……昔ながらのクレモナ式魔法で、空を行く鳥の群れをまとめて皆殺しにするためだけの『専用の魔法』が何種類も残っているほどです」
「ええ……。(またもや絶句)」
「ですから……クレモナ人は割と着飾ることの好きな人たちですし、また、クレモナ語は歌にすると、とても綺麗に聞こえる言語なのですが……クレモナ人の美しい衣装や歌声などを、間違っても鳥に喩えたりはしないでください。
あの温厚な歌姫アディムナ・サランディスですら、ベルカ系の人物からそう喩えられた時には、『髪を振り乱して激昂し、その場で相手に謝罪と訂正を要求した』という逸話があるぐらいですから」
「解りました。それは最大限に気をつけるとしましょう」
【大半のクレモナ人は、『鳥類など、すべての世界で絶滅させても構わない』と今も本気で思っているため、管理局の「自然保護隊」の人々に言わせると、『クレモナ人は、みんな頭がおかしい』ということになります。(苦笑)】
さて、はやてたち一行は昼食後に、あらかじめ待機していた小規模部隊(二十名ほどの新人陸士たち)を率いて、〈本局〉の転送ポートから直接にクレモナの地表へと「即時移動」をしました。
(もちろん、先程の「注意点」は、すでに全員に通達済みです。)
【ちなみに、こうした通常の「即時移動」も、本来ならば「個人転送」と同じように、基本的には「同じ緯度、同じ経度、同じ高度」の座標に転送されるものです。
(この場合の「同じ経度」は「時差が無い場所」の意味です。また、ここで言う「高度」は、一般に「その土地なりの」地表が基準であり、樹木や建築物などの存在は考慮されないので、個人転送は本来、「安全のため、事前に少し高度を取ってから」するべき行為です。)
もちろん、通常の即時移動の場合、実際には出現地点を「現地の転送ポート」に設定することが可能なのですが、「本来の、あるべき緯度・経度・高度」からのズレが大きくなればなるほど、余分なエネルギーが相当にかかってしまうので、管理局はなるべく「そうしたズレの小さな場所」を選んで転送ポートを設置するようにしています。
特に「経度のズレ」は莫大なエネルギーロスとなるので、あからさまに大きな時差のある場所へ「即時移動」をする際には、しばしば『時差が無い場所の上空に、あらかじめ次元航行船を待機させておき、一旦その船内の転送室に転送してから、その船で目的地の上
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