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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
 【第2節】事件当時の各人の動向。(後編)
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上に、後方から高速で追突するような形で衝突したようです。
 また、その際に、クレモナの地上にも衛星(つき)の破片が(だいぶ小さめのモノばかりでしたが)大量に降り注ぎ、莫大な被害が出ました。その時点で『人類はただひとつの大陸を除いて滅亡した』と言っても過言ではありません。
 それ以来、その衛星は公転軌道も「やや楕円」となり、今なお、その自転周期は公転周期と一致していません。具体的に言えば、一回公転する(たび)に二回自転する形ですが、公転周期と朔望周期(満ち欠けの周期)は別物なので、結果として『満月の度に「惑星クレモナの側に見せる向き」は少しずつ変わってゆく』ということになります。

 リインが『ピンと来ない』と言うので、シャマルはその資料映像を見せました。同じ満月でも、確かに、見た目の大きさや模様(もよう)は月ごとに随分と異なっています。
 それ以来、暦の上でも大変に扱いづらい存在となったため、クレモナでは当時から(つまり、何千年も前から)この衛星(つき)は「非合理性」の象徴とされて来ました。
 朔望周期は「平均で」25日あまりです。しかし、それを一か月とすると、1年は14か月半となり、とても中途半端なので、クレモナでは古来、衛星(つき)の満ち欠けとは全く関係の無い「純粋太陽暦」が用いられて来ました。
(具体的には、一年を12分割して30日を一月(ひとつき)とする、よくあるタイプの暦です。)
 昔は「冬至の当日」を一年の起点にしていましたが、現代ではミッド式の暦をそのまま借用し、「冬至の三日後」を元日として、年末にはまとめて「余り日」を置くようになりました。ただし、ミッド式の「週」(6日間)という単位は無く、「旬」(10日間)を単位として社会生活が営まれています。

【例えば、学校などでは、(しも)一桁(ひとけた)が「5の日」と「0の日」が休日となります。また、TV番組なども、基本的には旬1回の放送で、1シーズンは半年間の18話。多くの場合、一年の前半に本放送をして、同じ年の後半には再放送をします。
 この方式は、後に、クレモナ人の主な移民先である〈管15デヴォルザム〉の第三大陸カロエスマールにも継承されました。】

 なお、クレモナの惑星本体はやや大きめで、赤道半径は6780キロメートルほど。質量は地球のおよそ2割増し。半径は6.3%増し。表面積はほぼ13%増しです。
 陸海比(惑星の表面における陸の面積と海の面積との比率)は地球とほぼ同じ「29対71」なので、実際の陸地面積は地球より一割以上も広く、1億6750万平方キロメートルあまり。なお、自転軸の傾きは「今では」20度あまりに落ち着いています。

 先史時代にも、自力で衛星(つき)の表面に基地を築ける程度の文明は持ち合わせていたのですが、今から二千年あまり前の「対〈号
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