【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
【第1節】事件当時の各人の動向。(前編)
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マグゼレナ人の名前は、苗字、個人名の順なので、「ヴァルブロエム」の方が苗字です。主要な管理世界の中では、他にも、モザヴァディーメ人とデヴォルザム人とゲルドラング人がこの順となります。】
その直後、クロノはレニィの口から直接に、〈プロジェクトF〉に携わった「他の二人」についての証言を得ることができました。
そのうちの一人は、もちろん、プレシアなのですが、実のところ、もう一人の、ギンガとスバルを造った人物については、今まで何ひとつ解ってはいなかったのです。
「カウラ・ゼレミードは、背後関係の無い『フリーの技術者』だったわ。あれからすぐに別の研究施設へ移されたと、私は聞いたけど……アレは『人間としての、当たり前の倫理観』が全く身についていないタイプの、イカレた女よ」
レニィは、自分のことは棚に上げて、嫌悪感も露わにそう吐き捨てました。すでに観念したのか、彼女は他にも貴重な情報を幾つかクロノたちに漏らしてくれます。
「プロジェクトFも『個々の工程の具体的な意味』となると、私にもすべては把握できてないわ。すべてを正しく理解していたのは、多分、プレシア・テスタロッサとドクター・スカリエッティの二人だけよ。……私もそれなりに優秀な人間のつもりでいたけれど、あの二人は、私やカウラなんかとは根本的にレベルが違う……。
まったく、プレシアはあれで『本来の専門分野は遺伝子工学じゃなかった』と言うんだから……『私なんて、本当に大した存在じゃなかったんだ』と思い知らされたわ。それに、あのドクターは元々『人間』では無いと言う話だから、プレシアはきっと『人間としては』管理局史上で二番目の大天才なんでしょうね」
「二番目? それでは、一番目は誰なんだ?」
「それは、もちろん、〈グランド・マスター〉よ! 決まってるじゃないの!」
レニィは、親が子供に「当たり前のこと」を言って聞かせる時のような口調で、クロノにそう言い放ちました。
しかし、その名前を聞いてもなお、クロノたちの表情からは疑問符が消えません。それを見て、レニィもまた驚愕の表情を浮かべます。
「ホントに知らないの? あの〈アルカンシェル〉を造った人物なのに!」
そこへ、別動隊から緊急の報告が来て、クロノは一旦、その場を離れてしまったのですが、後にして思えば、それが「一生の不覚」でした。
その時点で、レニィは『すでに喋りすぎた』と激しく後悔していたのです。
工作班が地底基地全体の自爆指令を間一髪で無効化した結果、別動隊はその基地の情報管制室で組織の秘密データを幾つも無事に押収していました。
その中には、〈プロジェクトF〉の「具体的な工程」に関する情報も、「おおよそのところ」が含まれています。(←重要)
ただし、クロ
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