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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第3章】SSXの補完、および、後日譚。
 【第1節】事件当時の各人の動向。(前編)
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 明けて、新暦78年。
 4月も下旬になると、ユーノ司書長(22歳)がまたもや珍しい病気にかかり、8月まで長期入院することになりました。
 なのはとフェイトはそれを知ると、早速、見舞いに行きましたが、ユーノはその病室で「七年前に主治医から聞かされた話」を初めて、この二人だけにそっと打ち明けます。
 それは、あくまでも「ひとつの仮説」でしかありませんでしたが、『ユーノの生まれつきの免疫力が普通の人よりもかなり低い』という事実の理由づけとしては、確かに納得のゆく仮説でした。
十五歳の時点で早くもこれを知らされていたのなら、ユーノが恋愛や結婚などに対して前向きになれずにいたのも当然のことだった、と言って良いでしょう。(←重要)
 随分と重い話を聞かされてしまいましたが、なのはとフェイトは『この件については決して他言しない』ことを約束してから、家に帰りました。

 その晩、夕食の席で母親たちから『司書長が入院した』という話を聞かされると、ヴィヴィオも翌日、学校が終わってから、すぐに〈本局〉内の病院の「特別待遇」の病室を(たず)ねました。
 主治医ウェスカ・ラドール(52歳)の許可を得て、ユーノはヴィヴィオ(9歳)と普通に会話をします。
「感染するような病気じゃないから安心していいよ」
 ユーノがそう言って「おいで、おいで」をすると、ヴィヴィオは喜んでベッドの脇に駆け寄り、『ようやく司書の資格も取れたし、検索魔方陣も幾つか覚えたから、いろいろと調べてみたい』という内容の「お願い」をしました。
「そうだね。じゃあ……もし暇があったら、大航海時代の資料をざっと分類整理しておいてくれないかな。昨年に亡くなった〈三元老〉の意向で、一昨年の夏に無限書庫に運び込まれたんだけど、忙しくすぎて全く『手つかず』のままになっているんだよ」
 ヴィヴィオが快諾すると、ユーノは彼女に「認証キー」を渡します。
 そして、ヴィヴィオは、以前にユーノから教わった「検索魔方陣」の練習を兼ねて、ユーノからの依頼を実行に移したのでした。
(このスキルは、後に〈マリアージュ事件〉の際にも、大いに役に立ちます。)


 ちなみに、リンディ(51歳)は、この年の5月の末に「三度目の里帰り」をしました。
 もう少し具体的に言うと、母ディサの「祀り上げ」のため、父ヴェラルドの祀り上げ以来、実に15年半ぶりで故郷の〈管4ファストラウム〉をまた「ミッド経由で」訪れたのですが、まだ少し時期が早かったため、〈マリアージュ事件〉などには全く出くわさずに済みました。
 思えば、いつの間にか、母親(享年、46歳)よりも、自分の方が年上になってしまっています。リンディにとっては、これも何と言うか、大変に感慨深いものがありました。
そして、祀り上げの儀式の後、リンディは「墓標と遺骨
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