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カンピオーネ!5人”の”神殺し
第一部
三月の戦闘 U
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ュしてきていたのを止めて、バックステップしようとしたドニと、最初からこういう状況になることを予知してドニのバックステップに合わせて追撃した翔希。どちらが有利かは・・・語る必要も無かった。

「ぐっ・・・!」

 ギン!と硬質な音が響く。

 ドニの周囲には、何時の間にか無数のルーン文字が浮かび上がっていた。ドニの持つ権能、【鋼の加護(マン・オブ・スチール)】である。鋼鉄よりも硬くなったドニの体に”黒の剣”は阻まれた。・・・が、

「・・・斬鉄か・・・!」

 ドニの、悔しさと嬉しさが混ざり合ったような声が響く。彼の腹部は、翔希の突きにより数センチの傷が付いていた。当然、その程度の傷など気にもせずに反撃してくるドニだが、それすらも『未来視』で視て知っていた翔希は軽々避ける。

「・・・これで終わりにしないか・・・?」

「まさか!そんな勿体ない事が出来るわけないだろう!?凄く楽しくなってきたのに!」

「はぁ・・・。」

 この返答すらも視て知っていたのだが、一縷の望みを掛けて提案してみた翔希は肩を落とす。

『未来視』は、完全無欠な能力ではない。

 これは恐らく、彼が殺した神であるマリーチの眷属であった『ラプラスの悪魔』が既に消滅しているからだと思われる。人に裏切られた恨みと悲しみにより思考を鈍らせたマリーチは、しばしば未来を読み違えていた。元々の彼女の能力は、数百、数千年先の出来事さえも的中させる事が可能な能力であったのにだ。

 翔希の場合は、数秒先の未来ならば何の問題もない。ほぼ百%の確率で的中するだろう。・・・だが、それが一分先や、一時間先。一日先となっていくと、未来の可能性は細分化されすぎて、どれが本当の未来なのかがわからなくなる。

 つまり、『未来視』の能力は、『この先起こり得る可能性を映像として写す』能力なのだろう。当然、視る期間が長ければ長いほど可能性は増え続ける。だから、間違える可能性はゼロではないのだ。

 ・・・が、少なくとも今の場面では、間違っては居なかったらしい。翔希は溜息を吐きながら、右手を向ける。

「ん?」

「ライトニング・エクスプロージョン!」

 翔希たちの所属していた神殿教会(今は教団と名を改めている)は、他の魔術結社と比べても隔絶した権力を持っていた。その理由の一つがコレである。

 攻撃魔術限定ではあるが、技名のみで魔術が発動するのだ。他の結社の魔術では、殆どの魔術が戦闘で使用するには少々長すぎる詠唱を必要とするのに対し、強力な攻撃力を持つ魔術を一詠唱で発動出来る神殿教会の魔術は、結社同士の戦闘行為で常に優位に立つのには十分すぎる能力だった。

 特殊な効果こそ持っていないが、人と人との戦闘行為においては、特殊効果など必要ない。相手よ
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