第七百二十六話 チーターは実はその四
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「まさに羊毛の様に何度もだ」
「刈ってですね」
「手に入る様にしている、狐や狸もな」
こうした生きもの達の毛皮もというのだ。
「兎も然りだ」
「命は大事にしていますね」
「批判があった」
大尉は難しい顔で答えた。
「生きものの毛皮を手に入れることについてはな」
「当時は毛皮を取れば終わりでしたね」
「毛皮を取られた生きものは死んだ」
その時点でというのだ。
「もっと言えば殺された」
「そうですね」
「コート一着作るのにだ」
それにというのだ。
「かなりの数のそうした生きもの達が犠牲になっていた」
「そうでしたね」
「象牙にしてもな」
「象を殺してですね」
「そしてだ」
「手に入れていましたね」
「だがこのこともだ」
象牙を手に入れることについてもというのだ。
「命を奪うことになるからな」
「批判がありましたね」
「そうだった、だからな」
そうした批判を受けてというのだ。
「象も品種改良を行いだ」
「象牙を何度も手に入れられる様にしたのですね」
「鹿の角の様にだ」
大尉はこう例えた。
「何度もだ」
「採れる様にしたのですね」
「連合はな。象は七十年生きる」
実はその寿命は結構長いのだ。
「その七十年の間にな」
「象牙は何度も採れますね」
「そうなった、連合は命についての考えは厳しいというかな」
考える顔でだ、上等兵に話した。
「大切にしている」
「無駄に奪わずですね」
「死体も全てな」
「食べたり用いたりして」
「そうしたことをしてだ」
そしてというのだ。
「全てな」
「利用してですね」
「無駄のない様にしている」
「まさにそれが」
「連合だ」
「あらゆるものを無駄にしないのですね」
「捨てるならだ」
そうするならというのだ。
「まさに骨の髄まで使ってだ」
「それで捨てますか」
「豚や鶏にしろだ」
こうした家畜達もというのだ。
「骨もスープに用いるしな」
「そのだしにですね」
「じっくりと煮てな」
「そうしますね」
「そうもしてな」
そのうえでというのだ。
「兎角だ」
「あらゆるものを最後まで利用する」
「そして捨てるのがな」
これがというのだ。
「連合だ、命の大事さもだ」
「よくわかっている国ですか」
「無駄にだ」
「命を奪わない」
「そうした国だ、だから生贄もな」
これもというのだ。
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