第四十五話 歌劇の世界からその三
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「あの宮殿は相当に不衛生やった」
「そうしたものだらけでな」
「何か疫病とか流行しそうやな」
羅は真顔で言った。
「そんな場所やと」
「そやな、というか何でハイヒールが出来たかも」
「貴婦人が踏まん為やしな」
「そうらしいからな」
「ああして高い靴やとな」
「踏む割合も減るな」
「それだけ踏むもんが多かった」
「あの宮殿はな」
「そうなるな」
「そう思うと怖いな」
「当時のフランスのトイレはちょっとお家の二階の外とかに穴が出ててな」
リーが言ってきた。
「それだけとかおまるみたいなもんでな」
「そこで用足すな」
「それで溜まったもんを窓から外に捨てる」
リーは中里に話した。
「道の端にな」
「そやったな」
「それで道の端におったらな」
「下手したら被るな」
「そんなこともあったわ」
そうだったというのだ。
「間違いなくな」
「そやな」
「そしてな」
それでというのだ。
「道の端は他にゴミも多くて」
「とんでもなく汚かったな」
「それで鼠も走り回ってて」
「ペストも流行したな」
「そやった、そやからな」
「トイレも重要やな」
「汲み取りでもや」
日本のそのトイレの話もした。
「かなりな」
「衛生的やな」
「そや、それで私達は上下水道を敷いてるが」
政の一環としてだ。
「これもな」
「ええな」
「そや」
まさにというのだ。
「衛生を考えるとな」
「そうなるな」
「ほんまな道にそんなん捨てたら」
「疫病の元やな」
「ペストとかな」
「この世界でも疫病があって」
それでとだ、中里は話した。
「そしてやな」
「ペストもあるやろ」
「コレラとか赤痢もな」
「そうした疫病の元になるわ」
「そうしたトイレは」
「道の端に捨てるなんてや」
出したものそれにゴミをというのだ。
「まさにや」
「最悪の行いやな」
「そんなことしたらほんまにな」
「ペストが流行するな」
「そして多くの犠牲者が出る」
そうなるというのだ。
「そやからな」
「そうならんことを避ける為にも」
「是非な」
それこそというのだ。
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