第四十五話 歌劇の世界からその二
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「是非ね」
「そやな、この塔で神霊さん達との戦は試練でや」
「この塔は試練の塔でしょ」
「それやとな」
「避けることは出来ないわ」
絶対にというのだ。
「ほんまね」
「そういうことやな」
「そやからね」
「あの方々との戦もな」
「乗り越えましょう」
「試練としてな」
「是非な」
こう話してそうしてだった。
一行は先に進んでいくが今度はバロック期の宮殿を思わせる階に入った、その中を進んでいてだった。
ふとだ、中里は笑ってこう言った。
「中は普通やな」
「どう普通やねん」
「いや他の階とな」
こう施に答えた。
「同じ位の汚れ方やってな」
「思ったんか」
「ほら、こうした宮殿ってな」
装飾や見事なカーテンで豪奢な造りの中のその中を進みつつ話した。
「トイレなくてな」
「汚れてるか」
「もうあちこちに落ちてて」
そうしたものがというのだ。
「廊下の端とかカーテンの裏側とか」
「それで壁も滲みてる」
メルヴィルが言ってきた。
「そんな風か」
「そや、ユゴーも言ってたやろ」
フランスの星の者で自分達と同じ神星の一人である彼がというのだ。
「ベルサイユ宮殿ってな」
「めっちゃ汚かったな」
「トイレはなくて」
おまるの様なものがあった、実は当時のフランスの家自体にトイレをもうけることが非常に少なかったのだ。
「あちこちで用を足してて」
「お庭なんかな」
「もう汚れ放題やったな」
「そやったからな」
だからだというのだ。
「こうした中におるとな」
「汚いってか」
「つい思ったわ」
そうだったというのだ。
「それもかなりな」
「まあダンジョンもトイレっていうとな」
これの存在をだ、羅は言った。
「宿屋位にしかないけどな」
「それで用を足したらな」
「中におる虫とかが集まってな」
そうしてというのだ。
「すぐにや」
「処理してくれるな」
「そやからダンジョンの中はな」
「トイレはなくてもな」
「比較的清潔や」
「そやな」
「それがベルサイユ宮殿はな」
中里が意識して話しているこの宮殿はというのだ。
「そうした虫とかがおる筈がなくて」
「汚かったな」
「匂いもしてな」
ただ汚れてるだけでなくというのだ。
「大変な状況やった」
「そやったな」
「そやからな」
だからだというのだ。
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