第百五話 秋のイベントその六
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「色々ね」
「努力しないとな」
「他にも国立大学出ても」
「東大でなくてもか」
「全く何も出来なくて」
それこそというのだ。
「就職も何もまともにはね」
「出来てないんだな」
「何でもその人お食事の時にね」
かな恵は実に嫌そうな顔になって弟に話した。
「お味噌汁飲んで」
「それは普通だろ」
「そのお茶碗に痰吐くらしいのよ」
「うわっ・・・・・・」
その話を聞いた瞬間にだった、明男はこれ以上はないまでに顔を顰めさせた。そのうえで姉に言った。
「俺そんな人に会ったことないよ」
「私もよ」
かな恵は嫌そうに答えた。
「もうね」
「姉ちゃんもか」
「八条学園って世界中から人集まってるけれど」
「それこそ北朝鮮以外からな」
「けれどね」
「そんなことする人いないよな」
「そんな人はじめて聞いたわ」
かな恵もというのだ。
「それで見た人も見た瞬間にお顔顰めさせたらしいわ」
「そりゃそうなるよな」
明男もそれはと同意した。
「絶対に」
「それでその人まだあって」
「味噌汁茶碗に痰吐いただけじゃないか」
「食器親切で片付けたら」
「その人のか」
「次一緒に食べたら無言ですっと差し出す」
「今回も持って行けってか」
「そういう人で皆が作業していても」
その時もというのだ。
「ぼーーーっとして動かないで」
「何か酷い話ばかりだな」
「やっと動いたら他の人がやってる一番簡単なお仕事で」
「それでか」
「出て来るのはダントツ最後で鈍重で」
「いや、それってな」
明男はここまで聞いて呆れて姉に言葉を返した。
「駄目人間だろ」
「そう言っていいわね」
「それじゃあ国立大学出てもな」
「まともに就職出来てないの」
「それでどうして暮らしてるんだよ」
「お寺に拾われて」
それでというのだ。
「そこで働かせてもらってね」
「生きてるんだな」
「幸い文句とか言う人じゃないから」
「お寺に入れてもらってるんだな」
「そうなの」
これがというのだ。
「もうね」
「そうなんだな」
「まあお寺でもそんな風で」
「役に立っていないか」
「誰のね、けれど」
それでもというのだ。
「文句や不平言わないで大人しいから」
「やっていけてるんだな」
「そうよ、けれどこんな人もいるのよ」
「学歴はあってもか」
「そうよ」
まさにというのだ。
「これがね」
「本当に学歴だけじゃ駄目なんだな」
「そう思うわ、まあ学歴もなくて」
かな恵はさらに話した。
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