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小型犬用のリード
第二章

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「ワン」
「ワンワン」 
 ふわりは仲のいい近所の秋田犬白い雌の花子とすれ違った、彼女も飼い主に散歩に連れられていてだった。
 ふわりとすれ違った、それで二匹は尻尾を振って挨拶をしてだった。
 少し遊んでから別れて散歩を再開した、だが。
 その後でだ、洋介はこんなことを言った。
「何かな」
「どうしたんだ?」
「いや、リードな」 
 ふわりを繋いでいるそれを見て言うのだった。
「ふわりのと花子のじゃ違うな」
「当たり前だろ」
 父は平然とした声で答えた。
「ふわりはトイプードルだろ」
「ティーカップより少し大きい位のな」
「そして花子は秋田犬だな」
「あの娘は大型犬だな」
「犬は種類によって大きさが違うからな」
 そうだからだというのだ。
「リードの大きさもな」
「違うんだな」
「その種類に合ったリードがあるんだよ」
 そうだというのだ。
「小型犬、中型犬、大型犬でな」
「それぞれか」
「ああ、そのこともわかっておけよ」
「頭に入れておくな」
「今のが古くなったりして新しいものに買い替える時もな」
「小型犬用のを買わないと駄目か」
「ああ、そうだ」
 こう言うのだった。
「本当に覚えておけよ」
「さもないとふわりが困るか」
「リードも自分に合ったものじゃないとな」
「ふわりの身体に合うものだな」
 小さな彼女を見つつ言った、見ればリードは適度な長さを保っていた。ふわりはその先で今も機嫌よく歩いていた。


小型犬用のリード   完


                    2023・11・22
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