第七十八話 教会長さんその二
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「ちっち最近あの子とどうなの?」
「あの子って誰ですか?」
「ほら、あの茶色の髪の毛で背の高い」
先輩はお顔を曇らせて言われました。
「私のことを嫌いな」
「新一君ですか」
外見のこと以上に先輩を嫌いということでわかりました。
「今日も朝詰所に来ました」
「朝から来るのね」
「挨拶しに。それで夕方もなんです」
「そうなのね。間違いないわね」
先輩はくすりと笑われました、そしてです。
私にです、優しい笑顔で言われました。
「あの子大事にしてあげてね」
「先輩が言われます?」
「ええ、いい子だからね」
「あんなに先輩のこと嫌ってるのに」
もう完全に敵とみなしています、高井先輩や佐野先輩に対してもそうですが。そして敵とみると本当に酷いのが新一君です。
「そんなこと言います?」
「ええ、確かに私のことは嫌いだけれどね」
「はっきり言いますからね」
先輩ご自身に面と向かってです。
「しかもあることないこと言い回って」
「それでもよ」
「新一君のことをそう言われますか」
「ええ、それでね」
そのうえでというのです。
「そうした子だから大事にしてあげてね」
「そのつもりですが」
それでもです。
「本当に先輩に悪いことさせないですから」
「あれこれ言い回ることを」
「あの子嫌いな相手には陰湿ですから」
新一君自身が言う様にです。
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