第百二十五話 品選びその十三
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「民主主義だよ」
「民主主義自体もですか」
「色々奇麗ごと言ってもな」
「教科書とかで」
「ああ、民主主義ってのはおかしな奴ばかりだとな」
そうした状況ならというのだ。
「おかしな奴に投票してな」
「おかしな人が当選して」
「おかしなことするんだよ」
「あれですね」
咲はマスターの話を聞いて教科書で教わったことを言った。
「衆愚政治ですね」
「それだよ、それになるんだよ」
マスターもその通りだと答えた。
「民主主義ってのはな」
「おかしな人が多いと」
「それになってな」
そしてというのだ。
「おかしなことになるんだよ」
「美濃部さんの時の東京とか前の変な政権ですね」
「ああ、あの時もそうだった」
マスターも言われて思い出した顔になって応えた。
「冗談抜きであの時は酷かったな」
「地震が起こってもまともな対応出来ないで」
「景気が悪くなっても何もしなくてな」
状況を注視する、事態を見守ると言ってだ。こう言うだけで経済政策は全くの無策であったというのだ。
「それで他のこともな」
「色々酷くて」
「今も言われてるな」
「最低だったって」
「ああした政権にもな」
「なったりしますね」
「俺はあの政党に投票しなかったけれどな」
マスターは自分のことも話した。
「マスコミは色々言ったけれどな」
「薔薇色の未来になるみたいな」
「薔薇色の未来なんてな」
「ならないですか」
「上手い話はないんだよ」
こう咲に言うのだった。
「あったらな」
「裏がありますね」
「ああ、だからな」
「あの時マスター投票されなかったんですね」
「あの連中にはな」
「そうでしたか」
「酷いことになるって思ったよ」
あの政権が誕生した時はというのだ。
「そうな、けれどな」
「けれど?」
「俺の予想より遥かにな」
「酷くなったんですね」
「ああ、地震の時も他のどんなことも酷くてな」
そうした有様でというのだ。
「本当にな」
「予想より遥かにですか」
「酷かったよ、そんな政権を選ぶのもな」
それもというのだ。
「やっぱりな」
「投票する方が問題ですね」
「ちょっと調べたらな」
それでというのだ。
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