第百二十五話 品選びその八
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「全く変わらないでな」
「酷いままでしたか」
「ああ」
そうだったというのだ。
「結局な」
「駄目なままですか」
「感謝も何もな」
「しなかったんですね」
「ああ、そんな風だったからな」
「救われなかったんですね」
「今じゃ誰からも見放されて」
そうなってというのだ。
「何をしているか」
「わからないですか」
「そんな奴もいるんだよ」
「私が聞いた人もそうで」
「ああ、今はか」
「どうしているか」
「そんな風でも生きようと思えば生きられるからな」
マスターは眉を曇らせてこうも言った。
「今の日本は」
「誰からも見放されてもですね」
「それで働いてなくてもな」
「生活保護ですか」
「こうした碌でもない奴を助けるんじゃなくてな」
「本当に困ってる人を助けるものですね」
「生活保護はな」
この制度はというのだ。
「そういうものなんだよ」
「そうですよね」
「障害持ってたりそうしないとどうにもならない」
「そんな人こそですね」
「障害あるとな」
それならというのだ。
「どうしてもな」
「満足に働けなかったりしますか」
「身体が悪かったり心に何かあればな」
世の中様々な障害が存在している、そしてそのうえで満足に働くことがそうしたくとも出来ない人もいるのだ。
「そうした人こそな」
「助けられるべきですね」
「ああ、それがな」
「そうしたどうにもならない人はですね」
「どうせ感謝しないしな」
このこともあってというのだ。
「生活保護なんてな」
「そうした人にはあげないで」
「本当に困ってる人にだよ」
「行くべきですね」
「さもないとな」
マスターはさらに話した。
「本当に困ってる人に行き渡らないことがな」
「ありますね」
「ああ、あとな」
「あと?」
「明らかに何も問題ないな」
その生活にというのだ。
「そんな奴があれこれな」
「言ってですか」
「困ってないのにな」
「生活保護貰って」
「余計にいい暮らししてる場合あるんだよ」
「酷いことですね」
「また言うけれど障害あったりして満足に働けなくて」
それでというのだ。
「そうしないとな」
「生きられないならですね」
「そうした人はな」
まさにというのだ。
「貰うべきだけれどな」
「それでもですね」
「何も問題なくてな」
「碌でもない人が貰うのは」
「間違いだろ」
「そうですよね」
咲もそれはと答えた。
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