第二幕その八
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「どうしたら出来るかをね」
「考えていくことだね」
「そうよ、今は無理でも」
それでもというのです。
「未来はね」
「わからないね」
「そういうことよ、じゃあ着いたら」
「うん、それからはね」
「街のホテルのロイヤルスイートを予約してもらっているから」
だからだというのです。
「そちらに入って」
「そうしてだね」
「そのうえでね」
それでというのです。
「そこからね」
「会議に挑むんだね」
「そうしましょう」
臆病ライオンに笑顔で応えてでした。
皆は飛行機が着陸するとそのすぐ隣の街の門に来ました、すると門番の紫の詰襟の軍服と帽子とブーツ姿の銃を持った兵隊さんがです。
一行の先頭を行くドロシーにです、敬礼をして言いました。
「お待ちしていました」
「ええ、これから暫くの間宜しくね」
「こちらこそ、ではです」
「ホテルに案内してくれるのね」
「そうさせて頂きます」
兵隊さんはドロシーに笑顔で答えました。
「これから」
「それではね」
「じゃあ行こう」
臆病ライオンも言いました、こうしてです。
皆は街の中に入って紫の街並みを見つつその中を進んでいきました、街は左右対称で人々の服も街にあるものも紫です。
その紫を見てです、神宝達は思いました。
「やっぱりね」
「ここはギリキンね」
「何もかもが紫だから」
「そのことがわかるわ」
「そうだね」
「うん、この国にいるんだって」
神宝は紫のお家や建物それに市場も見て言いました。
「思えるね」
「全くよね」
恵梨香は神宝のその言葉に頷きました。
「紫の街を見たら」
「飛行機の中にいた時もわかったね」
カルロスはこの時のことを言いました。
「エメラルドの都の緑から一気に紫になったから」
「そうそう、草原も森もね」
ジョージも言います。
「奇麗に一変したよね」
「そして今もね」
ナターシャは紫のオズの国の服を着た人達を見て言います、三角の大きな鍔に沢山の鈴を付けた帽子が印象的なその服をです。
「紫だからね」
「うん、こうした色を見るのもね」
神宝はしみじみとして言いました。
「オズの国に来た醍醐味だよね」
「そうよね」
「このはっきりとした色の違いをね」
「それを見ることもだよ」
「オズの国に来た醍醐味だよ」
「本当にそうよね」
「うん、全くだね」
トトも言ってきました、彼は今もドロシーの足下にいます。
「僕もそう思うよ」
「そうだね、ただ犬は」
「外の世界では色がわからないよ」
こう神宝に答えました。
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