第七百二十五話 ライオンの昼寝その十
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「世界屈指の大国だった」
「そういえば当時の中国は」
ここで上等兵も気付いた。
「そうでしたね」
「世界帝国だったな」
「今の中国も大国だがな」
連合の中でだ。
「当時の中国はな」
「まさに世界帝国で」
「イスラム帝国と並ぶまでのな」
「大帝国でしたね」
「そうだったが」
それでもというのだ。
「その頃の中国でもな」
「造れなかったですね」
「それだけのものを造ったが」
当時、日本で言う奈良時代にだ。
「個人の贅沢ではなかった」
「所謂権力者の」
「そうだった、しかしな」
それでもというのだ。
「あの大仏はな」
「そうではなく」
「当時疫病が流行していた」
天然痘であった、この時代ではペストや結核もそうだが人類が克服し撲滅した感染症の一つとなっている。
「それで多くの者が命を落とした」
「だからですね」
「その疫病から国家を守護する」
「その為に造られましたか」
「そうだったしな」
「個人の欲望の為ではない」
「そうだ、日本の皇室は建築にもだ」
この贅沢にもというのだ。
「昔からせずな」
「質素ですね」
「そうだったのだ」
「それは今もですね」
「エウロパでも君主となるとな」
大尉は自国の話をした。
「宮殿を造るな」
「それも豪奢な」
「そうした宮殿を築かせてだ」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「その中で豪奢に暮らすことがですね」
「君主のステータスだった」
「それは今もですね」
「そうだ、王侯となるとな」
その立場ならというのだ。
「それぞれの立場に相応しいだ」
「宮殿を築き」
「その中に住む」
このことがというのだ。
「まさにな」
「そうしないとです」
「ならないまでにだ」
そこまでにというのだ。
「絶対のことになっている」
「左様ですね」
「ルイ十四世なぞはな」
太陽王と呼ばれた彼はというのだ。
「ベルサイユ宮殿を築かせたが」
「歴史に残っていますね」
「今もオリンポスにあるが」
エウロパの首都星系にだ。
「その見事さはだ」
「今も残っていますね」
「そうだ、多くの予算と人手を用いてだ」
そうしてというのだ。
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