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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第179話:一筋の涙
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見る。直接相手の目を見ている訳ではないのに、アルドからの視線にマリアは一瞬気圧されたような気がした。
「……まぁ、あの人が並々ならぬ錬金術の知識を持っている事は事実。その超常技術を安易に外部に広めるのは、決して賢い判断とは言えないのは認めますよ」
人間とは新しい未知なる知識に平気で手を出す。それが破滅への引き金や混乱のスイッチになっていたとしても、だ。過去に新技術を手にした人類が、その技術で多くの人々を不幸にした例は多い。
特に政府の裏で動く風鳴 訃堂は何をするか分からない。身内である弦十郎はその事をよく理解している。恐らくは訃堂の手の者がカリオストロに手出しする事を防ぐ為、彼女はこのままここで暫く窮屈な生活を送る羽目になるだろう。
奏達は敵ながら陰謀の只中に放り込まれる事になったカリオストロに対し、憐れみを感じずにはいられなかった。
その話の渦中にあるカリオストロは、アルドの言う通り現在は弦十郎とウィズによる尋問を受けている最中であった。強化ガラス越しに椅子に座ったカリオストロの両手には、アルド手製の錬金術に使用を制限する手枷が嵌められそこに更にウィズの魔法で魔力の行使を妨害されていた。徹底した脱走対策だが、逆に言えばこれくらいしなければ危険な相手と言う事でもある。
そんな相手とガラス1枚を隔てて面会している弦十郎は、堂々とした態度で相対し口を開いた。
「居心地はどうかな?」
『思ってたよりは悪くないわ。食事もまずまずだし。ただ、これが鬱陶しいって事くらいね』
そう言って両手に嵌められた枷を持ち上げるカリオストロを、ウィズは鼻で小さく笑った。
「捕虜なんだから枷一つで文句を言うな」
『フン……それで? あーしに何の用があるの?』
「単刀直入に聞こう。君達パヴァリア光明結社の次の狙いは何だ?」
ドストレートな弦十郎の質問に逆に虚を突かれたカリオストロは一瞬キョトンとした顔になる。が、次の瞬間には笑いを堪えきれないと言いたげに腹を抱えて笑い出した。
『あっははははははッ! そこまで真正面から聞かれるとは思ってなかったわッ! あなた、腹芸は苦手でしょう?』
「そうでもない。必要とあればいくらでも腹芸の一つは見せてやるさ。で、どうなんだ?」
『それあーしが正直に答えると思ってる?』
蔑みを交えたカリオストロの返答に、しかし弦十郎は眉一つ動かさない。代わりに次に口を開いたのは同伴しているウィズの方であった。
「バラルの呪詛……」
『ッ!?』
「やはりそれが狙いだったか。差し詰めお前達の狙いは、月遺跡の掌握とそれにより統一言語を解放し世界の在り方を変える事にある。違うか?」
『さ〜ね? あーしはサンジェルマンに従ってるだけだし。詳しい事は彼女しか知らな
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