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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第179話:一筋の涙
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「キャロルさんが凶行に走ったのは、お父上の死と言う深い悲しみに突き動かされて周りを顧みなかった事に由来していると考えられます。であるならば、今からでも様々な知識や思い出を彼女の中に刻んであげれば……」
「記憶が戻ったとしても、奇跡の殺戮者に戻る可能性は低くなる?」
「そう私は考えています。穏やかな環境に彼女を置いてあげれば、彼女が本来持つ優しさも取り戻してくれるかも」
それはつまり、キャロルと本当の意味で仲良く手が取り合えるかもしれないと言う可能性の示唆。それを聞いて黙っていられる響ではなかった。
「つまりキャロルちゃんと色々な事を楽しめばいいって事ですねッ!」
「その認識も間違いではありませんが……」
「おぉぉぉぉっ! 待っててキャロルちゃーんッ!」
「おい、ちょ、待てッ! あ〜、もう! 透、あのバカが変な事しない様に見張るぞッ!」
このままだとキャロルが響に振り回されてしまう。それを防ぐ為、仲直りを果たしたクリスと透が響の後を追っていった。嵐の様な響の様子を、残された奏達は苦笑と共に見送っていった。
「やれやれ……響の奴、余程嬉しいんだな」
「無理もないわよ。この中で一番キャロルの事を気に掛けてるんだもの」
まぁその気に掛けるが、当のキャロル本人からすれば些か過剰干渉の域に達しているのは気の毒と言えば気の毒だが。
「それより私はあの捕えた錬金術師の事の方が気になるわ。彼女、これからどうなるの?」
キャロルの記憶が戻るのかどうかも気になる所ではあるが、マリアが直近で気になっているのは捕縛したカリオストロに関してだった。今カリオストロは、この本部の独房エリアでウェル博士とは別の独房に入れられていた。勿論錬金術で脱走されたりしないように、魔法を用いて対策を施した上でである。
「あの人なら、今は風鳴司令官とウィズに尋問を受けている所です」
納得の人選である。理不尽の権化とも言える弦十郎であれば仮にカリオストロが暴れても力尽くで押さえつける事が出来るだろうし、そこにウィズも加わればさらに逃げ出すのは困難となる。
「尋問が終わった後はどうなるデス? そのままここで捕まえておくんデスか?」
カリオストロ達パヴァリア光明結社に被害を受けたのは日本政府も同様だった。特に風鳴機関本部の壊滅は決して無視できない被害だ。その被害の原因を齎した、パヴァリア光明結社の幹部の身柄を日本政府が求めるのは容易に想像できることである。
しかし…………
「そうですね。他の施設では恐らくあの人を押さえ込む事は難しいでしょうし、警備の面でもここなら安心なので処遇が決まるまではここで拘束し続ける事になるでしょう」
「それは……名目上の話?」
マリアの指摘にアルドがフード越しに彼女を
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