第七十七話 おみちの本その三十一
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「夫婦善哉だから」
「そうなりますね」
「善哉注文したら二つ出て来るお店ね」
「そうです」
「恋人同士でも行くのよね」
私も聞いたことです。
「そうよね」
「そうなんですよ、今度また行きたいですね」
にこにことして言うのでした。
「それも二人で」
「その人が見付かるといいわね、ただ」
私はここでまた、でした。
新一君が私をにこにことして見ているので思いました。
「そこで私を見るのどうして?」
「駄目ですか?」
「変に気になるのよ」
見られてです。
「どういうこと?」
「まあそのうち」
「またそのうち?」
「今は」
ずっと私を見て言います。
「天下茶屋でまたお会いしたい位ですね」
「?そこで天下茶屋?」
そう聞いてまた首を傾げさせてしまいました。
「どうしてなの?」
「えっと、それはですね」
「新一君の大叔母さんお二人がおられるけれど」
そのことはわかります。
「それがどうかしたの?」
「何といいますか」
「何といいますかじゃなくて」
新一君を見てこの子に言いました。
「どういうことなの?」
「ああ、千里ちゃんいいかな」
ここでまた白石さんが言ってきました。
「頼みたいこと出来たけれど」
「ひのきしんですか」
「うん、いいかな」
「わかりました、どんなひのきしんでしょうか」
「ちょっと食堂の方のお掃除にね」
「行ってきます、じゃあ新一君ちょっとね」
「はい、今日はこれで」
新一君も帰ると言いました。
「また明日お願いします」
「明日ね」
「こちらにお伺いしますんで」
「わかったわ、じゃあまたね」
私も言葉を返してでした。
そうしてお別れしました、この日はひのきしんをさせてもらっていつもの生活を過ごしました。そうして一日を終えました。
第七十七話 完
2022・6・18
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