第百二十五話 品選びその四
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「それでな」
「コーヒーもですか」
「どっち派ってことはないな」
「その時の気分で」
「どちらか飲んでるな」
「そうなんですね」
「結構国によって分かれるだろ」
こうした飲みものはというのだ。
「紅茶派、コーヒー派でな」
「それありますね」
咲もそれはと返した。
「私の学校世界中から人が集まるんで」
「こうしたこともわかるよな」
「はい」
実際にと答えた。
「その国の食文化になりますね」
「コーヒーとか紅茶もなんだよ」
「どれを飲むかも文化ですね」
「イギリスじゃ紅茶でな」
この国ではこちらを飲むというのだ。
「ドイツとかフランスじゃコーヒーだ」
「それぞれ違いますね」
「日本はお茶になるな」
「紅茶じゃなくてもですね」
「お茶って言っても色々だけれどな」
日本ではというのだ。
「そうなるよな」
「そうですね」
「中国なんか本当にお茶だよな」
「お茶の国って言われる位ですね」
「あそこはな、インドもそうだな」
中国と並ぶアジアで巨大な人口を誇るこの国もというのだ。
「やっぱりな」
「お茶の国ですね」
「ロシアもそうだな」
「お茶の国も多いですね」
「アメリカはコーヒーでも紅茶も飲むんだよ」
「あちらはレモンティーですよね」
「そっちを飲んでな、ロシアはイギリスのとはまた違う紅茶でな」
煎れ方が違うのだ、ロシア料理は独特のものが多いが紅茶もまたそう言っていいものであるのだ。
「ジャムを舐めながら飲むんだよ」
「ジャムは入れないんですよね」
「本当のロシアンティーはな」
「そうでしたね」
「もうブラジルは完全にコーヒーだよ」
この国はそうだというのだ。
「コーヒー生産してるしな」
「それだけにですね」
「コーヒーの国でな」
「どの人も飲みますね」
「ああ、まあこうしてな」
「本当にその国それぞれですね」
「そうしたことを知るのも面白いよな」
マスターは咲に笑ってこうも言った。
「本当にな」
「その通りですよね」
咲も同意して頷いた。
「私も今の学校で色々勉強させてもらってます」
「それぞれの国の文化とかもか」
「本校と大学は神戸にあるんですが」
「東京の方にもあってだよな」
「色々と」
こう言っていいまでにというのだ。
「世界から人が集まっていて」
「他の国のことを勉強出来るな」
「イスラムとかアフリカとか」
そうした地域のこともというのだ。
「あと中南米の国々のことも」
「勉強出来るんだな」
「はい」
そうだというのだ。
「私の学校は」
「八条学園のことは聞いてるけれどな」
マスターは咲にしみじみとした口調で語った。
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