第二幕その三
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「この国はね」
「そうだね、今日も沢山のお魚や生きものがいるね」
「お空にもね」
「いいことだよ」
「本当にね」
「エイもいるね」
腹ペコタイガーは上を飛ぶそのお魚に気付きました。
「ひらひらと飛んでるね」
「エイってお水の中でも飛ぶみたいに泳ぐけれど」
それでもと言うトトでした。
「お空の中だとね」
「実際にね」
「飛んでるから」
「絵になるね」
かかしもそのエイを見て言います、ひらひらと飛んでいて長い尾もまた動いています。
「とてもね」
「うん、何かね」
樵はかかしの横でこんなことを言いました。
「エイの上に乗ってね」
「そうしてだね」
「お空を飛びたくもなったよ」
「ははは、それもいいね」
かかしは樵のそのお話に笑顔で頷きました。
「それもまたね」
「そうだね」
「じゃあ今度ね」
「エイに頼んでそうしてみよう」
「お空に行った時にね」
「僕お空を飛びたいよ」
トトは自分の望みを言いました。
「今度ね」
「じゃあ魔法の翼かプロペラを付けよう」
魔法使いが言ってきました。
「そうしてね」
「お空を飛ぶんだね」
「そうしよう、あとね」
魔法使いはトトにさらにお話しました。
「空を浮かべる様になるお薬やお空を歩ける様になる靴もあるしね」
「そうしたものを使うとだね」
「普通にお空を飛べたりね」
「歩けるね」
「オズの国はね」
「そうした国だね、科学と魔法があるから」
「そうしたことも普通に出来るよ」
こう言うのでした。
「素晴らしいことにね」
「本当に素晴らしいね」
「そうだね」
「ううん、若しもだよ」
臆病ライオンはトトと魔法使いのお話を聞いてこんなことを言いました。
「僕が翼を付けてお空を飛んだら」
「凄く恰好いいわね」
ドロシーがにこりと笑って応えました。
「そうなったら」
「そうなんだね」
「それじゃあね」
臆病ライオンにその笑顔のままさらに言います。
「そうした遊びもね」
「今度するんだね」
「皆が翼を付けて」
そうしてというのです。
「お空を飛びましょう」
「僕もだね」
「そう、そしてね」
そのうえでというのです。
「楽しもう」
「それじゃあね」
「ドロシーが翼を付けたら天使みたいだね」
魔法使いはドロシーも見て言いました。
「そうしたら」
「そうかしら」
「うん、臆病ライオンは恰好よくてね」
「私は天使みたいなの」
「そうなるよ」
「私が天使って」
ドロシーはそう言われて少し恥ずかしそうに言いました。
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