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ヘリの整備は万全に
第二章

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「多少何処かなくても」
「仲の部品が?」
「細かいのとか。事前の点検とかしなくても」
「いや、そうはいかないよ」 
 長谷部は真面目に答えた。
「確かに頑丈だけれど」
「それでもですか」
「うん、飛ぶ前と後は絶対に点検をして」
 機体をというのだ。
「それで部品はどんなものでもないと」
「駄目なんですか」
「さもないと墜落するから」
 そうなってしまうからだというのだ。
「大変だからね」
「それで、ですか」
「いつもね」
 そこはというのだ。
「ちゃんとしているよ」
「そうなんですね」
「点検、整備を万全にするのが自衛隊なんだ」
 このことも真面目に話した。
「このことはこの基地だけでなくて」
「他の基地でもですか」
「自衛隊全部がそうだよ」
「凄いですね」
「そうしてやっているんだ」
「僕達を守ってくれているんですね」
「そうだよ」
 少年に笑顔で答えた、この時はこれで終わったが。
 翌日長谷部は午前中働いている時に工藤に笑って言われた。
「昨日見てたぞ」
「昨日ですか」
「格納庫で言ってることをな」
「男の子に」
「いいことを言っていたな」
 笑顔で言うのだった。
「その心掛け忘れるなよ」
「はい、そうします」
「そうしたらきっといい自衛官になるからな」
 こう長谷部に言うのだった、実際に彼はまじめで誠実な自衛官として働いていった。それは下士官になってからもだった。少年に言ったことはずっと忘れずにそうなった。


ヘリの整備は万全に   完


                  2023・11・18
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